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奄美大島に伝わる、縄文時代からの発酵飲料「ミキ」講座を開催しました!
皆様、こんにちは。
日本発酵文化協会 上席講師の藤本倫子です。
2026年7月2日 〔東京:麻布十番教室〕にて、毎年恒例となっている『奄美大島のミキ講座』を開催しました。
講師は、奄美の伝統や祈りの文化とともに「ミキ」を伝えている松野薫先生です。
松野先生には年に一度、協会で特別講座を行っていただいています。

「ミキ」は、お米とさつまいもから作られる、奄美大島の伝統的な発酵飲料です。その歴史は大変古く、縄文時代から続いているともいわれています。
作り方は、まずお米をお粥にし、60℃ほどまで冷まします。
そこへ、すりおろしたさつまいもを加えます。すると、さつまいもに含まれる酵素の働きによって、お米のでんぷんが分解され、自然な甘みが生まれます。

その後、時間の経過とともに乳酸発酵が進み、日に日に味わいや香り、酸味が変化していきます。(簡単にいうと、食べる(飲む)タイミングで日に日に味が変化するのも醍醐味かと思います)
発酵は完成後も少しずつ進み続けるため、昔ながらの味わいのミキを楽しむには、自分で作るのがいちばんです。
市販されているミキには、飲みやすくするために砂糖が加えられているものも多くありますが、この講座では、お米とさつまいもだけで作る伝統的なミキを学びます。
講座は、お米の扱い方や洗い方から丁寧に始まります。

ミキが生まれたのは、微生物や酵素の働きが科学的に解明される、はるか昔のことです。
目には見えない力によってお米が甘くなり、やがて酸味を帯びて変化していく様子は、当時の人々にとって「神様が作ってくださるもの」と感じられたのかもしれません。
そのため、ミキは単なる発酵飲料ではなく、神様へのお供えや祈りとも深く結びついています。松野先生の講座では、作り方だけでなく、奄美の神事や女性たちが受け継いできた文化、使われてきた道具についてもお話しいただきます。
本来、松野先生のミキ講座は、一日をかけてじっくりと学ぶ大変奥深いものです。協会では、その魅力を凝縮したショートバージョンとして開催しています。歴史や文化を含め、さらに深く学びたい方には、ぜひ松野先生のもとで本講座を受講していただきたいと思います。

そして、ミキは飲むだけではありません。
奄美大島では、ミキは主に飲み物として親しまれているそうですが、松野先生は「料理に取り入れても楽しいですよ」と、毎年ミキを使った試食を用意してくださいます。
これまでにも、水キムチやドレッシング、ディップなど、ミキの自然な甘みや酸味を生かした料理をご紹介いただきました。発酵飲料としてそのまま味わうだけでなく、調味料のように料理へ取り入れられることも、ミキの大きな魅力です。

私も毎年、裏方としてこの講座に参加していますが、まだ科学という概念がなかった時代に、
女性たちが経験と感覚を頼りにミキを作り、受け継いできたことに、あらためて心を動かされます。
現代では、男女を問わず忙しく働き、料理にも手軽さや時短が求められるようになりました。それも大切なことですが、仲間と一緒に手を動かし、時間をかけて作り、目には見えない変化を待つ——そのような昔ながらの営みに触れる時間も、とても豊かなものだと感じます。
ミキ作りを通して、発酵の仕組みだけでなく、奄美の祈りや暮らし、そして人から人へと受け継がれてきた文化に触れられること。さらに、現代の食卓で幅広く楽しむ方法まで学べることも、この講座ならではの魅力です。
今年も大変貴重で、楽しい講座となりました。
松野薫先生、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
