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地域活性化活動

発酵で日本を繋ぐ!

日本発酵文化協会は「発酵で日本を繋ぐ!」をテーマに
日本全国の発酵に関わる地域の活性化を応援しております。
そのためには地域の蔵と深くかかわりを持ち、
蔵人や発酵食に関わる「人」の想いを伝えていくことが私達の使命だと考えます。
私達の活動は始まったばかりですが、石川県、新潟県、千葉県、秋田県、山梨県、埼玉県
滋賀県、愛知県、京都府、沖縄県などの地域をまわって、
酒や醤油・味噌はもちろんのこと、酢や漬物、ワイン、チーズ等の情報や
今後の日本の食生活に役立てる知識や発酵食文化を発信することにより、
日本の発酵食の更なる進展及び継承を目指します。


鹿児島発酵ツアー2日目

第9期発酵プロフェッショナルの末森光紘です。
先日行われました協会主催の鹿児島発酵ツアーの2日目の報告です。
2日目(3月19日)
昨日の夜から鹿児島は雨でした。 今日まず最初に向かったのは個人的に楽しみにしていました、鰹節の山吉國澤百馬商店です。雨だと外で天日干しの工程が見ることが出来ないのです…さすがあんなにも降っていた雨が移動の途中にはすっかり晴れてました。皆さん、持ってます!
指宿市山川は仕上げ節の生産量日本一で、全国の7割を作っています。その中でも山吉國澤百馬商店は、鰹節から鰹パックまで一貫して行っています。また、国産の一本釣り鰹を使用しています。まき網漁では2時間くらいかけて鰹を水揚げするので鰹が力を使い切って鮮度が落ちていきますが、一本釣りだとエネルギーをため込んだまま急速冷凍されるので鮮度が保たれたままの鰹を原料に出来るからです。鰹節は荒節に2回のカビ付けで本枯節になりますが、山吉國澤百馬商店は最低3回以上のカビ付けします。3回以上カビ付けすることでより余分な水分をさらになくし、うま味成分を増やすことが出来るからです。これらの工程を約半年もかけて、手間も暇もかけて昔ながらの製法にこだわっているので、上品な香りと深いコクと透明感のある鰹出汁が出来るという事・鰹節一つでもたくさんの作業工程を得て、職人さんの手が関わっているのを実際の目で見て、肌で感じる事が出来ました。

次に向かったのは、山川漬の内園賢漬物店に向かいました。

バスの中で事前に山川漬の事を教えてもらいました。山川漬はつぼ漬ではないという衝撃の事実が分かりました。実は、壷に漬けられているのが山川漬で、ステンレスのタンクなどで付けられているのがつぼ漬との事でした!

山川は冬でも雪も降らない温暖な気候で、大根を乾燥させるのに最適です。製法がとても独特でした。干した大根を塩をまぶしながら杵で叩き込みます。壷の底にすのこを敷いて、そこに叩き込まれた大根を敷き詰めます。なんと2000~2500本の大根が一つの壷に入るそうです!敷き詰める時に真ん中にパイプを入れます。これが山川漬の特徴なんです。このパイプは発酵過程で大根から出た浸出液を抜き取るために入れます。浸出液を抜き取ることで余分な塩分が無くなるので、塩分の少なく大根本来の味と栄養成分が残されたままの漬物、山川漬が出来上がります。最低半年以上発酵・熟成をさせないと大根の苦みが残るそうです。半年以上発酵・熟成された山川漬は何とも歯ごたえが強く最初はびっくりしましたが(たくあんの3倍の硬いそうです)、噛めば噛むほど香ばしく甘みが増す美味しい漬物でした。

この山川漬の製法や成分を調査された方が居て、大根由来の糖類・有機酸がそのまま残され、アミノ酸や食物繊維も豊富に含まれる機能的に優れた漬物であることが化学的にも証明された漬物であることを知りました。昔の人は化学的に証明されなくても乳酸発酵された山川漬が体に良いことを知っていたんですね。先人の知恵は偉大です。

次に向かった先は、さつま焼酎「白波」の明治蔵に訪問しました。名前の通り明治からある蔵で壁には戦争当時の弾痕のあとが今の残っていました。蔵の中には焼酎の仕込みに使われる道具、機械、甕など展示されていました。これらの展示されている物は現在も使用されていて、仕込みをしている作業風景も見学ができるそうです。そんな雰囲気の余韻に浸りながら、しっかりと焼酎の試飲を少し贅沢に楽しみました。

最後に向かった先は、本土最南端に位置するウィスキー蒸留所の本坊酒造さんの津貫蒸留所に行きました。マルスウィスキーの生みの親は、岩崎喜一郎といいます。この岩崎氏は、NHKの連続テレビ小説「マッサン」のモデルとなった国産ウイスキーの父、竹鶴政孝氏の上司なんです。竹鶴氏をスコットランドへ送り出したことで知られています。この岩崎氏の生徒だったのが本坊酒造の本坊蔵吉なんです。後に、岩崎氏の娘婿となり、さらに岩崎氏とともに製造技術を大きく前進させたとされます。

この「マルス」という名は、本坊酒造が創業当時からシンボルとしてきた「星」のなかでも、戦いの神、そして農耕の神でもあるマルスに由来する火星Marsにちなんでつけられたものらしいです。

蒸留された時は無色透明な液体なのが、樽の木の素材・貯蔵場所・気候などの影響に同じところでも、違った味わいや花織のウィスキーが出来上がります。蒸留所は信州と屋久島と津貫の3か所にあります。その三か所はそれぞれ環境の条件が違うためそれぞれの個性豊かなウィスキーが出来ます。人間の行う工程は最初だけで、あとは自然に任せるのみ。そんな自然が生み出すウィスキーにロマンを追いかける作り手の想いに感動しました。

この2日間で鹿児島の黒酢・黒酒・鰹節・壺漬け・焼酎・ウィスキーといった、鹿児島の気候を活かした発酵食品を堪能してきました。

今回の鹿児島発酵ツアーを主催して頂いた、横山理事と上級認定講師の藤本先生、加盟店の福山黒酢株式会社の竹下義隆さん並びに見学させていただいた関係者の方々に感謝を申し上げます。


鹿児島発酵ツアー1日目

はじめまして。第9期発酵プロフェッショナルの末森光紘と申します。

私は、現在(株)発酵食品愛好会という会社で働いております。2010年設立のまだ小さい会社ですが、20年以上前から健康食品である万田酵素を取り扱っている会社です。発酵食品愛好会という名前にも関わらず、取り扱っている発酵食品といえば甘酒・味噌が数える程しかありませんでした。発酵という事に興味を持ち、調べていくうちに、発酵食品というのは凄いものじゃないのかと思い、この会社に勤めている以上発酵食品の事をもっと知っておかないといけないと感じ、もっと知りたい・学びたくなり、協会の門を叩きました。マイスターを取得後は、日本独自の発酵文化を発信していくことの大切さ・発酵食品をブームではなく、改めて生活の中に取り戻して、見直して定着させていくことの大切さというのは感じ、プロフェッショナルになりました。

協会のおかげで、たくさんのご縁を頂いております。その頂いたご縁でこれから発酵食品という文化と全国にある多くの発酵食品を生産者の想いと一緒に広めていきますので、これからもよろしくお願いいたします。

さて、今回は先日行われました協会主催の鹿児島発酵ツアーに行ってきたので、報告いたします。

1日目(3月18日)

鹿児島空港に現地集合し、バスで移動しました。

 

まず初めに向かったのは、協会の加盟店でもあります、福山黒酢株式会社です。

今回のツアーには、研究開発室長かつ協会の認定講師でもある竹下さんも同行してくださいました。バスの中で向かう前に福山黒酢の説明を竹下さんにしていただきました。ここで、さすが参加している方々が発酵マイスター&プロフェッショナルですから、質問が飛ぶこと…(汗)これからのツアーがとても楽しみとなるバス移動でした。

福山黒酢株式会社のある鹿児島県霧島市福山町は、海からの温かい風と山から霧島おろし風という冷たい風の影響で年間平均気温が18.7℃温暖な気候で、黒酢造りに最適な条件が揃った町です。町にはいるとすぐにいろんなところで壷畑の光景を見ることができ、多くの黒酢メーカーが軒を連ねていました。その中でも福山黒酢さんには最大規模の約20,000壷があります。並んでいる壷の景色は圧巻でした!

玄米黒酢「桷志田」は春と秋の年2回仕込みが行われます。アマン壷と呼ばれる壷に米麹と玄米と水を入れ、最後に水面に蓋をするように、乾燥した麹を振りながら入れます(振り麹)。今回は玄米がまだ生育出来ていなかったので、玄米なしでこの仕込み体験をさせていただきました。麹を食べたり、匂いを嗅いだり、皆さんそれぞれ楽しんでいました。出来上がるまでに壷は動かされる事はないので6ヶ月後を楽しみに壷の位置を覚えてる方もいました!

6ヶ月糖化発酵・アルコール発酵→酢酸発酵します。その間に雑菌が入ってしまうと発酵が邪魔され黒酢が出来なくなってしまいます。なので杜氏たちは大量にある壷を一壷ずつ丁寧に確認作業を行っています。6ヶ月後酢合わせされた黒酢は、さらに3年間の熟成期間を得て桷志田が出来上がります。3年物・5年物・10年物とありましたがどれも違い熟成期間が増すごとに角のとれた美味しい黒酢になっていました。

さらに福山黒酢さんはレストランも併設しているので昼食はもちろんこちらで、しかも5年物の黒酢をいっぱいかけて美味しくいただきました。



 

次に向かった先は、東(ひがし)酒造株式会社です。

東酒造さんは、七窪という焼酎を作られている創業100年以上の歴史ある酒蔵です。また、灰持酒(あくもちざけ)という地酒も作られています。鹿児島では昔から「酒ずし」に用いられていましたが、時代とともに生産者がいなくなってしまいました。その伝統ある灰持酒をベースにさらに高度な発酵技術により「黒酒」として復活させたのです。灰持酒は、通常火入れをして保存性を高める日本酒に対して、樫の間伐材を燃やしてできた灰汁を使用して保存性を高めた料理酒です。火入れをしていないため、酵素が生きているので料理の味を活かすことのできます。普通の日本酒に比べアミノ酸を多く含んでいるだけでなく、有機酸・ミネラルも含んでいるので、お酒と味醂の特性を併せ持っています。日本三大灰持酒は、鹿児島の地酒・熊本の赤酒・島根の地伝酒とありますが、火入れをしていないのは、東酒造さんの「黒酒」だけです。



初めて知った発酵食品「黒酒」でした。灰持酒は、一度途絶えてしまいましたが、その鹿児島伝統の味を東酒造さんは、もう一度立ち上げ復活させました。その土地の発酵食品が無くなるという事は、発酵文化が無くなる事。発酵文化協会として、発信していく事は、今ある文化を発信して知ってもらうだけでなく、こうした無くなってしまった文化や無くなりそうな文化を守るために発信していく事の大切さ重大さに改めて気づかされました。

 


浜松発酵プロジェクト!

 

はじめまして。発酵マイスター26期の米村さおりと申します。

 

わたしは東京都在住で、都内でOLをしています。

食べることが大好きで、仕事以外で食に関わる活動をしていくなかで「発酵」に出会いました。

発酵食品を手作りすることがとても楽しく、作った発酵調味料を使うだけで料理が簡単に美味しくなること、

また微生物がじっくりと時間をかけて行う発酵の世界観に魅了されました。

この素晴らしさを他の人にも知ってほしい!伝えたい!と思った時に、

まずは自分がしっかりと学びたいと思い、2017年に協会の門をたたき発酵マイスターとなりました。

 

それからは、もっと発酵が大好きになり、発酵マイスターになったことでたくさんの御縁も頂きながら

発酵調味料を手作りする料理教室や、発酵ごはんのケータリングなどの活動をしています。

 

前置きが長くなりましたが、今回ブログで紹介させて頂くのは、

先日浜松市で行われたとある企業様の新社屋オープニングセレモニーの様子です。

浜松でもっと発酵食文化を広めたい!という地元の企業様にご依頼頂き、協会として以下ブースを提供しました。

 

*味噌作り、味噌玉作りWS

*甘酒試飲、甘酒フードの試食

*発酵熟成豚のBBQ

*浜松伝統の浜納豆メニューの提案

 

雲ひとつない冬晴れの空の下、会場にはたくさんのお客様がいらっしゃりどのブースも大盛況でした^ ^



 

わたしが担当した甘酒提案ブースでは、

*掛川産の有機抹茶を使った豆乳甘酒ラテ

*ストレートの甘酒

*浜松産野菜の甘酒漬け

*モッツァレラチーズの甘酒味噌漬け/甘酒醤油漬け

を提供しました。



とても寒い日だったので、ホットの甘酒ラテは特に大盛況!

小さなお子さまからお年寄りまで皆さん美味しい美味しいと飲んでくださり、

「こんな甘酒の飲み方があるんだ!」と笑顔になって下さったことがとても嬉しかったです。

 

浜松の伝統の発酵食である「浜納豆」のやまやさんのブースでは、刻み浜納豆で作ったアヒージョの試食がおいしく、

ちゃっかり刻み浜納豆を購入しました(笑)



 

「とんきい」さんは、養豚、豚肉を使用した加工食品の製造、とんかつレストランなどを幅広く展開されています。

そんなとんきいさんのブースではエイジングシートを使用した発酵熟成豚のバーベキューが大人気で、

毎回長蛇の列が出来ていました!

バーベキューも豚汁もお肉の味わいが濃くて、とてもおいしかったです。 



 

認定講師細野さんの味噌作りwsや、発酵マイスターの神宮寺さん担当の味噌玉作りwsは

どの回も満席で、特にお子さん達が楽しそうに取り組む姿が印象的でした。

今回のワークショップで仕込んだ木桶2つ分のお味噌は、浜松の地で発酵・熟成され

半年後くらいから食べごろになります。

今後は味噌のお披露目会も企画予定とのことで、とても楽しみです。



 

今回のイベントを皮切りにもっと発酵で盛り上がるであろう浜松。

またそのお手伝いができるよう私自身より一層勉強しなければと思いました。

 

日本には地域によって本当にさまざまな発酵文化が残っています。

発酵食の美味しさ、その地域独自の発酵文化の素晴らしさをこれからも伝え広めて行きたいです。

 

米村さおり