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三五八漬け

まだまだ夏真っ盛り!暑い夏、どんな風に乗り切られてますか?
発酵文化協会 認定講師 川村かおりです
日本酒と刺身、ビールとザーサイ、紹興酒と臭豆腐
こんな感じで乗り切ってます、今年の夏

 

昔、ひいおじいさんは壁側の特等席に座り、壁に寄りかかって
コップに入った日本酒と茶色のきゅうりの漬物を美味しそうに食べていました

 

小学生の私はさすがにまだ日本酒は飲めなかったけれど、
そのきゅうりの漬物をよくねだってもらっていました

 

それはすごく酸っぱくて、でも日本茶にとっても合いました

 

物心ついたころから中学卒業まで、
私の夏はいつも岩手の母の実家で2週間以上を過ごし
その間に宿題はすべて終えるという、比較的余裕な夏休みを送っていました
(あまり誰も信じてはくれませんが)

 

その酸っぱい茶色の漬物は、そこでしか食べられることができず
また、祖母の家で食べる味噌汁も、東京では味わえない風味で
私の夏の風物詩はおばあちゃんの作る古漬けとみそ汁の香りと味でした

 

ひい祖父も祖母もいなくなった今では、
それはもう二度と感じることも味わうこともできなくなりましたが
発酵の世界に入ったことがきっかけで、それらを再現することはできなくても
少しだけ近づくことができたのではないかと思います

 

お漬物は今から4000年以上も昔から、世界中で食べられてきた発酵食品です

 

今、スーパーで売られているような調味液に漬けた味付け野菜とは違い
私たちと同じように地球に生きている微生物の作用によって、
野菜が美味しく、栄養豊富になったスーパー食品です

 

その中で三五八漬けは東北地方で食べられてきたお漬物
ブームになった塩麹の元祖とも言われています

 

 

私はお漬物がとても好きです
高知に嫁にきて一番のお気に入りになったのは
義理の母がナスの葉などと一緒に漬けるたくあんです
冬、何日も大根を日に干してシナシナにして半年以上も漬けこんでいました
作り方を伝授されないまま、今に至り、
義母ももう漬物づくりをやめてしまっているので
これは作り方をぜひ、聞いておくのだったと後悔しています
ただ、まだ作っている家庭はほかにあるようなので、
高知に戻ったら誰かにきかないと!

 

さて、話が逸れましたが三五八漬け

 

漬物好きが高じて、ワークショップも漬物を!と思い立ち
いろいろと文献を調べてみますと、これは作り方は一つではなく
地域によってさまざまな作り方がありました
また、三・五・八の数字はそれぞれ、塩、米、麹の割合を示すものですが
この割合もまた地域により様々
お米より麹が多いところもあれば、その逆もあり
また米も過熱をするということは同じでも、
蒸したり炊いたり、おかゆにしたり
ということは現代風にアレンジして、
みんなが気軽に作れるように提案したほうが
お漬物の良さを伝えられるのではないかと
和田先生のアドバイスを受け、オリジナル三五八漬けを作りました

 

ご参加くださった生徒さんの中には、
自分で三五八漬けを何度か作ってみたので
原理を知りたいと来られた方もいらして
そもそも”発酵って”というところからお漬物の仕組みを勉強できたかな、
と思います

 

 

 

塩分も3種類ほど変えたものを用意して味見をし、
自分の好みの味の漬物ができるよう、漬け床の塩分を決めるようにしました

 

三五八漬けのいいところは、麹による甘味も自然に添加されるところ
そして食材の旨味を麹がふんだんにひきだしてくれるところ

 

最後はお野菜だけでなく、三五八漬けの胸肉の唐揚げを試食
唐揚げは上級講師の作間先生が揚げてくださり
こちらも3種類の塩分で味見、野菜とは違ったおいしさを確認できたと思います

 

発酵協会のワークショップは、一般的なお料理教室は違い、
発酵というキーワードをもとに、
だれでも簡単に発酵食を知るきっかけになるものがとても多いです

 

特に難しくもなく、どこか懐かしいと感じられる食品
発酵食品はそんなものだと思います
どうぞ気軽に、いろんなワークショップに参加してみてください
そしてワークショップだけでなく、もっと詳しく発酵のことを知りたくなったら
ぜひ基本講座もご受講くださいね♪