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手づくり麹づくり教室 §きっと麹は日本人のDNAです§

1麹、2酛、3造り(いちこうじ、にもと、さんつくり)
 
みなさん、こんにちは
日本発酵文化協会 認定講師の川村です
 
8月4日、日曜日は麻布会場で特別講座”手作り麹教室”がありました
 

 

 

 

 
冒頭の言葉は、高知で酒造りをしていたころ、

毎日のように、師匠である杜氏に
「おい、酒つくりは?!」と投げかけられたらすぐに答えなければいけない答えでした
 
酒造りにとって一番大事なのは麹づくり
これがなければお酒はできません
 
その次に酒母づくり(酛づくり)
 
酒蔵にいた当時、朝一番の私の大仕事は種きりでした
 
もちろん、蔵に泊まったり、早番のときは
お米を蒸すため、甑に何百キロという米を入れ
ボイラーをつけてスチームの準備をしたり、
米袋の洗濯、道具の片づけ等々、いろいろしますが

約1時間かけて米が蒸しあがれば
放冷機のうえで種麹をふるのが私の役目でした
 
協会で発酵を教える仕事に変わってから
昨年は上級講師、作間先生の麹づくり教室のアシスタントをして
酒造り用ではない、私たちが家で作れる麹づくりというのを学び
作間先生と一緒に何度かデモをして、菱六さんのところでも学び
今年の手づくり麹教室となりました
 
いや、それにしても今年の夏はとても暑いです
 
麹づくりに大切な温度管理も、常温においておいてもいいかも?と思えるほど
空調をつけていない部屋は暑く、むしろ麹室代わりの発泡スチロール容器は
温めるためのお湯を入れなくてもいいくらい、温まっていました
 
「時間よりも温度を気にしてほしい」
 
今回の講座で伝えたかったのはこのことでした
 
受講して下さった生徒さんたちとのSNSやメールでのやりとりで
”すぐに麹の温度があがるのでお湯を抜いてみました!”
とか
”まだらなのでもう少し、温度が上がるのを待ちます”など
自分で考えながら麹菌たちへの環境づくりをされてるのを目の当たりにして
麹づくりを身近に感じてもらえているようで、また
しっかり麹菌のことを理解して接してくださっていて
私もとても嬉しくなりました
 
微生物についてはまだまだ人間がわかっていないこともたくさんあり
日々、研究が進んでいて新しい発見やこれまでの誤解など出てきたりして
常にアンテナを張って勉強を続けていかないといけないと改めて思います
 
また、そういうことをきちんと伝えていかなくてはいけない、
講師は責任重大な仕事なんだと改めて感じています
 
酒造りだけでなく、日本の代表的な調味料全般において必要不可欠な麹
 
味噌汁離れが言われてはいますが、
日本人のDNAには味噌や醤油がしみこまれていると私は信じています
 
you are what you eat
 
発酵食品は本当に昔から、日本だけでなく世界中で食べられてきました
微生物の働きだとか、栄養成分だとかは後からわかってきたこと
でも昔の人々は実体験で体にいいことを察知し、
発酵食品を食べると調子がいいと直感していたはずです
 
知識を持つことも大切で、そうすることができるようになったとはいえ
もっと5感で体にいいことを感じたい
香りや味、音、体内に取り込んだ時の感覚
もっともっと敏感になりたいし、野性的になりたいです
 
おじいちゃんやおばあちゃんが昔、そろそろ雨が来るなぁとか
どんなにお天気が良くても、明日はくずれるなとか
空をみたら、植物を見たら、虫をみたらわかる、みたいな
そういうのがずっと私たち子孫に伝わっていったらいいのにと思うのです
 
発酵の世界は微生物の世界、地球が循環している世界
難しく論理づけるのが正直、苦手な分、感じられるようになりたい
みなさんはどう思いますか?
 
手作り麹教室は来月も開催されます
今のところ、すでに満席ではありますが
麹をもっと身近に感じて、いっぱい麹とつきあってほしいと思っています