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漬物の発酵の仕組み
こんにちは。
発酵プロフェッショナル、発酵ライターの 高橋佳永子です。
先週のコラムで投稿しました、漬物ですが、どのような仕組みで発酵し、腐らなくなるのでしょうか?
発酵食品を作ることも好きなのですが、個人的に、それよりも、微生物の世界でどんなことが行われているのか?ということに、興味がある作者。
今回は、子供の頃、好きで良く描いていた漫画風にして、漬物作りがどのように発酵していくのかを考えてみたいと思います♪
まずは登場人物から!
上から、乳酸菌その1、乳酸菌その2、腐敗菌その1、腐敗菌その2
どうしてそのように分けるかというと、同じ名前で呼ばれている菌でも、その中の種類は沢山あり、少しずつ性質も異なる為です。よって、今回はメインたちにスポットを当てて、考えてみたいと思います。
これらの菌たち、勿論、他の雑菌等は、野菜やまな板、空気中等、様々な場所に存在しています。
そこで、乳酸菌以外の菌が嫌い、乳酸菌が好む環境を作ってあげよう。というのがお漬物です。
腐敗菌は、塩分も嫌うので、野菜を塩で良くもんで、野菜から水分を十分出しておき、それに野菜をしっかりと漬けておくことで、腐敗菌をよせつけにくくしてくれます。
もう1つ、漬物を作る時、上から重しをする光景を見ることが良くあるかと思うのですが、こうすることによって、酸素の触れる部分を極力少なくすることによっても腐敗菌が侵入しにくくなります。
乳酸菌は、酸素のないところでも生きることができるので、腐敗菌よりも乳酸菌が多い状況にしてあげることが出来ます。
微生物の世界では面白いことに、皆、常に縄張り争いをしていて、その争いに勝ち、割合の多いほうの性質が現れる。という特徴があります。
ということは、乳酸菌を腐敗菌より著しく増やしてあげれば、安全美味しい、漬物!発酵食品が出来上がる。という仕組みになっているのです(^.^)
さ・ら・に!!
乳酸菌は、生育する過程で、乳酸 という強い酸を作ります。
実はこの時出す酸が、腐敗菌たちは苦手。
その為、乳酸菌の天国になり、酸味のあるお漬物が出来上がるのです。
このお漬物、大根の葉で作りましたが、白菜漬けも、ドイツのザワークラウトも、仕組みは同じです。
塩と素材だけで保存の効く発酵食品が出来てしまうなんて、素敵ですよね。
寒くなると、漬物が作りやすい時期になってきます。失敗しない方法は、出来るだけ菌がいそうな、薬が少なく元気な素材で、新鮮な時に作るのが良いかと思います。
ちなみに、私が先週投稿した漬物、その後の管理が悪く、先日食べようとしたところ、水分が袋から漏れて、漬かっていない部分が怪しくなっていた為、さよならしてしまいました(*´Д`)
次回は、液が漏れずに上手に保存できる方法を考えたいと思います。
作ったら日々楽しむことが出来るお漬物、是非、作ってみてくださいね。
では!