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友寄の豆腐餻
こんにちは。是友麻希です。
皆様は豆腐餻をご存じでしょうか?
沖縄県名産の発酵食品で、
乾燥させた島豆腐を泡盛と麹に漬け込み発酵させた沖縄伝統の高級珍味です。
お酒好きな方、特に泡盛好きな方にはたまらない酒肴でしょう。
何とも言えないそのねっとりしたチーズのような雲丹のような味わいから
東洋のチーズと称されることもあります。
お酒好きの私としては、沖縄に行った際は、必ず泡盛と共に頂きます。
今でこそ、知られている豆腐餻ですが、
普通に食べられるようになったのは実はごく最近の事です。
それまでは高級料亭で宮廷料理の一品として登場する程度で、
その製造方法は、秘伝であり、一般庶民には作り方はもちろん食べることさえ
めったにない稀有な食べ物でした。
25程年前、琉球大学農学部の研究により、
その製造メカニズムが解明されてから商業生産がはじまりました。
現在では、多くの企業が生産しており、沖縄のお土産物屋さんでは
必ずと言っていいほど、見かけることができます。
しかし、残念ながら、その味わいは
どうしても塩辛いものが多い気がします。
本来、豆腐餻は、泡盛の力を借りて
塩分濃度を極端に低く抑えることに成功した沖縄独自の発酵食品です。
しかし、現在では保存性を考えるあまり、塩辛いものが
出回っていることも事実です。
そんな理由もあってか、私にとって豆腐餻は
沖縄に行った時のみ食べる珍味としての存在でした。
しかしながら!!
今回出会った豆腐餻が私のそんな思うを見事に覆してくれました。
取り寄せてでも、食べたい・・・・・。
毎日でも食べたい・・・・・・・・・・・。
豆腐餻は、琉球王朝時代から美容と健康と長寿をもたらすとして食されてきた珍味です。
ならば、美容のためにも食べたい・・・・
そんなことを思わせてくれる豆腐餻に出会いました。
実際に、数名のお酒好きの友人や、発酵食好きの友人、発酵関係のお取引先の方々に
プレゼントしましたが、全員が
「なんだこれは!!!!」
「こんな豆腐餻 食べたことない!!!」
「豆腐餻って、こんなにおいしかったのか!」
と驚かれます。
決して大げさではありません。
本当に、感激する豆腐餻なのです。
それが、今回ご紹介する友よせの豆腐餻です。
さらに感激は、味だけではありません。
人、場所、歴史があって、初めてこの味が出せるのだと、
心から感じる、そんな素晴らしい出会いを頂きました。
私がこちらの豆腐餻に出会ったのは、半年ほど前。
沖縄で魚料理教室の依頼があり、出張した時のことです。
豆腐餻工場を見学したいという私の無茶なお願いを知り合いが聞いてくださり、
ご紹介いただきました。
最初は、大手の豆腐餻工場見学かな??くらいとしか考えていませんでした。
しかし、到着したその場所は、
沖縄本島の国際通りの1本裏手、閑静な住宅街です。
そこに、ひっそりと看板があります。
気を付けていなければ見落としてしまうかもしれません。
マンションの階段を上がっていくと、そこには、普通のご自宅のような入口が。
そこのチャイムを鳴らすと、
何ともお上品でお美しい、いや失礼ながら
かわいらしいと申し上げたほうが的確かもしれません
とても素敵なマダムがお出迎えしてくださいました。
そして、エレガントなリビングにお招きいただき、お話をさせていただき・・・・・
最初は、少々戸惑いました。
ここは、一体どこなのでしょうか???
しかし、お話をするうちに、すぐにその疑問は解けました。
エレガントな佇まいのマダム、友寄千枝子さんは
なんと60歳の時に、豆腐餻に魅了され、こちらの自宅で
豆腐餻を作っていらっしゃるのです。
それから25年、毎日毎日、豆腐餻と向き合い、
美味しい豆腐餻を生み出すべく、今でも勉強していらっしゃるとのこと。
そう、つまり豆腐餻の製造方法が解明されてから、
ずっと作り続けていらっしゃるのです。
「昔頂いた秘伝の豆腐餻の味が忘れられないんです。
その味に少しでも近づけたくて、まだまだ毎日が勉強なんです」
と、おっしゃるそのお姿に、
ただただ頭が下がる思いです。
友寄さんの工房は、ご自宅の一角にあります。
一件、クローゼットかな?と思うようなその小さな扉の向こう側には
素晴らしい大きな世界が広がっていました。
友寄さんの工房では、
まず厳選された島豆腐を丁寧にカットし、塩漬けしてから干します。
そして、これを丁寧に一つ一つ面取りします。
そのあと、4日間陰干しし発酵させます。
これを今度は泡盛ともち米麹、紅麹のタレに漬け込んでいきます。
泡盛も43℃と30℃のブレンドで、甕を入れ替え熟成させたものを
使用するというこだわりです。
そのあとも、16℃で3か月、8℃で3か月と、
厳密な温度管理を繰り返し、約半年間熟成させます。
この期間に、泡盛のツンとしたアルコール臭はなくなり、
まろやかな風味が生まれるとのこと。
時々、この豆腐餻を見て、唐辛子の辛さや、
人工着色料を想像される方がいらっしゃるのですが
それは大きな間違いです。
豆腐餻の赤は、紅麹の色です
こうして出来上がった豆腐餻は、なんとも美しく、素晴らしい香りです。
一口食べると、その違いに驚かされます。
全く塩辛くないのです。
お酒の肴だという印象の強い豆腐餻ですが、
全く違う食べものなのです。
なんと表現したらいいのか・・・と戸惑っていると
友寄さんが一言
「うちの豆腐餻は、お茶うけにも出来るんです。
お茶と一緒にお召し上がりいただきたいんです」と。
驚きました。
冷たい緑茶と共に頂く豆腐餻は、今まで食べたことのない
お茶菓子でした。
現在は、お嬢様の国場有子さんと共に、
この伝統の高級珍味を守っていらっしゃいます。
「豆腐も、泡盛も、麹も、素材すべてとちゃんと作ると、
出来き上がる豆腐餻の味はまったく違うものになるんです。
豆腐餻は、伝統工芸品なんです」
と、穏やかに、そしてとても楽しそうに語る友寄千枝子さん。
ご自身のお名刺の肩書にも
「豆腐餻職人」と書かれていらっしゃる通り
まさに職人技、職人気質をお持ちでいらっしゃるその気丈なお姿に
私はすっかり虜にされてしまいました。
沖縄県の豆腐よう工房 友よせ の豆腐餻
是非一度ご賞味くださいませ。
味わい、歴史、伝統、そして何よりお二人のお人柄を
感じとって頂ける逸品となることと思います
豆腐よう工房 友よせ
HP、お取り寄せはこちら
沖縄県那覇市松尾1-4-13
TEL:098-861-0979