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久寿餅は世界でも類がない『最高の美容食』でした❣
こんにちは。
上級認定講師の作間由美子です。
とうとう夏が終わり、今日から9月に入りましたが皆さんはこの夏は、いかがお過ごしでしたか。
わたしはデスクワーク三昧といった夏でした。
なのでできるだけ、気持ちよい環境で過ごしたくて、あれこれ工夫を愉しんだ時間でもありました。
例えば整理整頓、床と畳の雑巾がけ、備品の天日干し、それから麹もよく作りましたね。作って仕込むを繰り返す。作りながら、発酵食品は無駄がないなーとつくづく感じるのです。
昔の人は、おそらく物を粗末にできなかったから創意工夫が常になされていたのでしょうね。
和菓子の江戸時代の和菓子「くず餅」もその一つで、
実は、お麩の副産物でそれを発酵の技術を利用した、素晴らしい食品なのです。
今回は大人気で4回開催した「くず餅」の秘密を江戸久寿餅 山信食産の小山信太郎社長にお伺いしました。
●ここでみなさんに質問❣
くずもちには2種類あるのご存じでしたか?
関西が中心で広がった、葛粉で作られた葛餅と、
江戸時代に流行った、小麦粉のデンプンを発酵させて作られた久寿餅です。
どちらも同じ音なので漢字を変えて書きますが、
関東中心で食されている久寿餅はなんと『発酵食品』だったのです。
●では、どうやって生まれたか。
もともと精進料理でもお肉の代わりに使われる材料にお麩がありますね。
仏教の伝来とともに中国から日本に入ってきたお麩は、小麦粉グルテンで作られます。その時に分離したデンプンが含まれた水溶液は障子や掛け軸を貼るときの糊として使われていたそうです。
その糊を保存していた糊屋さんが大火事に見舞われ、その後に現場を見に行ったら糊がプルンプルンの餅になっていて、江戸の空っ風で火事や飢饉で苦しい時代に「これならみんなにふるまえる!」となり、久寿餅の原型ができたのだそう。つまり久寿餅はお麩の副産物であり、偶然の産物だったんですって ❣
●何故くずもちという名前なのか
それは諸説いろいろあるみたいで、
糊屋の主人の名前が「久兵衛」さんで、無病息災を祈願して「寿」をつけが久寿餅を完成させた説
船橋屋さんの発祥の地は「葛飾村」だったことから「葛」をとった。船橋屋さん説
修行中のお坊さんが命名したが、達筆すぎて読めず見た目が「久」と「寿」だったことで付けた。池田屋さん説
があるそうです。
まあ、いずれにしても、試行錯誤を繰り返し、環境が整えられて今の久寿餅があるようです。
そのようなお話を聴きながら、生久寿餅をいとおしくいただきました。
●賞味期限2日の生久寿餅 ●大人気の豆乳で仕上げた『クズクズシェイク』
ところが、この久寿餅、作るのに1年以上かかるんですって。
2年発酵熟成させた小麦のデンプンを1週間かけて手入れをしていく。
それなのに出来上がったら賞味期限はわずか2日❣
まさに蝉のような宿命の久寿餅。
あまりに不思議な発酵食品のため、農大の先生たちも久寿餅研究に没頭しているようで、ますますいろんなことが解明されてきていますよ。
●以下にまとめると、今回の講座で分かったことは、くず餅は美容と健康によいスーパーフードであることです!
その1:発酵食品は消化が良いからお腹がすぐすくともいわれている中、消化が良いのに腹持ちが良い❣
その2:植物性由来の乳酸菌は豊富で免疫強化の期待大
(これは自著『免疫は発酵食品でぐんぐん上がる』に書きました)
その3:ケーキの半分のカロリーで、なんと1人前173キロカロリー❣
その4:ふすまなどの食物繊維が豊富の為、発酵することによって腸内環境を整える
その5:小麦なのに小麦アレルゲン 不検出!
おまけ:奇跡の餅と言われ、あのスーっと歯で切れる柔らかさとなめらかな口触り
これらは小麦デンプンをわざわざ「2年」発酵させるというこだわりから、より高まっているようです。
それでもバブル前には52社あった製造会社は今はわずか5社だそう。悲しいです。
小山社長は、そんな中、文化伝統からみたら型破りな「ハート型久寿餅」も❣
親しみやすくて、可愛いですよね。贈り物にピッタリ ❣。
ますます応援したいですね。
【小山社長から美味しい召し上がり方を教えていただきました】
①黄な粉と黒蜜はどちらを先に掛けるか、それは黒蜜が先です。黄な粉の油分が黒蜜を跳ね返してしまうから。
②くずもちに黒蜜を掛けたら「3分以内」に食べてくださいとのことです。
美味しく召し上がってくださいませね。
講座を受講者の方からいただいた感想をご紹介しております。
次回開催の際の参考としてご覧ください。