ブログ
お醤油、搾りました♪
ブログの更新が遅くなりました。 こんにちは。 認定講師の川村です。
10月1日、醤油の日ってみなさんはご存じでしたか?
日本発酵文化協会では、毎年この醤油の日に”醤油搾り教室”をしています。
協会のベーシック講座、醤油教室で仕込んだ醤油を搾る日。
半年以上たった醪(もろみ)をお持ちの方が対象となりますが、中には2,3年、4年以上寝かせていた方もいたり
同じ麹、そして同じやり方で仕込んだ醤油でも、一人ひとり味が違うというのが、醤油づくりだけでなく発酵の奥深いところです。
今回も皆さんが搾った醤油は少しずつ小皿にとって、みんなで味比べをし、その奥深さに触れました。
醤油搾り教室は、ただ搾るだけではなく、そのMy醤油で能登から仕入れたお刺身と日本酒を堪能したりと、醤油をおいしくいただくプラスアルファを楽しんでいましたが、今年はせっかく搾った醤油粕で、漬け床を作りました。
醤油粕はなかなか手に入ることはありません。 一般的な市販されているお醤油は、機械を使って醤油を搾るため、粕は充分搾り切って水分はほとんどなく、見た目が段ボールのように無駄がありません。
しかし皆さんが醤油教室で作った醤油は、搾ったあとは味噌のような搾り粕、醤油粕になっていますので、お料理にぜひとも活躍させてほしいのです。
たとえば唐揚げ。
下味にお醤油を使うところを醤油粕にしてみると、味に断然、違いが出ます。
お醤油ももちろんおいしいですが、これを醤油粕にしてみるとコクが違うのです。 味に深みが出るというか。
というわけで教室では醤油粕で漬け床を作り、実際に醤油粕で漬けた唐揚げを試食しました。
また、搾ったあとの容器も洗い流すより、そこにお酒を入れ容器を洗い、その汁で作ったスープも試食しました。
お醤油とはまた違うその味は、けっこう癖になります。
さきほど、同じ麹、同じやり方で仕込んだ醤油でも、一人ひとり味が全く違うということ。
先日、協会ではマイスター、プロフェッショナル限定の定例会が行われましたが、そこでお話をしてくださった職人醤油の万太郎さんもおっしゃっていました。
小豆島には醤油蔵さんがたくさんあるのですが、同じ場所で醤油麹を作り、それを蔵ごとに購入して醤油を作っていますが、
同じ条件で同じ麹なのに、蔵ごとに味の違う醤油ができるという不思議。
微生物が上手に生きていけるその環境を、どう作るか、整えてあげるか、仕込みってそういうことなのですね。
それと作る人がどんな思いで作るか、世話をしてあげるか。微生物は目に見えないけれど、私たちのすぐそばにいます。
ちゃんと仕込んでいる、大丈夫かなぁと視線を送る、たまに櫂入れをして空気を入れ、酵母の働きを助けてあげる。
そういうお世話がお醤油には必要で、それがちゃんと味に出てくるのは面白いですね。
実をいうと、私もデモとしてMy醤油を持参して搾りました。 11か月熟成くらいですね。
今回は麹から手作りしてみました。
麹としては見た目、香り、問題なさそうな出来でしたが、はたして本当に醤油になるかは作ってみないとわかりません。
内心ドキドキで搾ってみましたが、無事、お醤油になっていたので安心しました。
もちろん醤油粕は持ち帰り冷凍保存、醤油は釜玉うどんにかけて食べました♪ あとはことあるごとにその醤油を使っています。
醤油教室はもう受講されましたか?
また、まだ醸造中の醪をお持ちの方、ぜひ来年の醤油の日には、お世話をした醤油の味を確かめてみませんか?
来年はまたおもしろい企画をそろえて、醤油搾り教室ができたらいいなと思います。