ブログ
日本酒で農家を救う!?
こんにちは。秋田支部 認定講師の貝塚順子です。
すっかり秋らしい季節となりましたね。
秋田では今日からの連休中
ほとんどの農家が稲刈りのため忙しい作業に追われます。
稲刈りが始まるということは
もう間もなく美味しい新米を食べられる季節になるということ。
そして、秋田のほとんどの蔵で
日本酒の仕込みが始まる時期になるということです。
秋田は、今、発酵業界、
特に日本酒業界が本当に熱い!!
今年6月から9月までの3ヶ月
秋田県酒造協同組合主催の
「清酒マイスター講座」へ
日本発酵文化協会 秋田支部として
オブザーバー席で参加をさせて頂きました。
この講座は
秋田県と秋田県醸造試験場の
強力なバックアップの元
秋田のウリでもある日本酒を広めることで
秋田県全体の活性化を図ることを目的とした
県を挙げての大々的な取り組みです。
会場も地元ホテルの大きな会場を使用し
集まった受講生はなんと合計300名!
オブザーバーや関係者も含めると
その数なんと約400名!!
地元のテレビ局からもカメラが3台入るほど
ものすごい力の入れようです。
秋田の日本酒を広めるということは
お酒好きな秋田県人にとっては
楽しい娯楽ということだけではなく
財政や雇用にも直結する大きな問題なのです。
年々右肩下がりの人口減少
減り続ける飲食店数
それに伴う雇用状況の悪化や財政難
これらをいかに早い段階で食い止めるか!?が
喫緊の課題なのです。
そして何よりも
日本酒を飲むということは
その原料となる米作りをする農家を守る
ということはあまり知られていません。
精米歩合60%の純米酒1升を作るために使用されるお米は
白米で約0.77kg
玄米で約1kgとなり
これを田んぼの面積に置き換えると
畳2帖分にも相当するそうです。
(出典:独立行政法人 酒類総合研究所)
秋田に帰郷してから
農家の仕事を日常的に目にする機会が増え
兼業農家をしている友人の苦労話を聞くたびに
「米を育てる」ということが
どれほど大変かということは
言葉以上の重みを感じざるを得ませんでした。
手間や体力や時間
自然との戦い
そして、ようやく苦労して出来た米を収穫する頃には
「台風」という名の魔物との戦いが待っているのです。
人々の手と祈りが込められた米が
収穫・乾燥・もみすり・選別・精米を経て
ようやく蔵元へバトンタッチされます。
ここだけを切り取ってみても
改めて
日本酒は本当に人の魂や温もりが込められた
質の高い
極上で贅沢な飲み物
と言わざるを得ません。
日本酒を飲むことは
農家を救い
麹屋さんを救い
地方の酒蔵を救い
酒販店を救い
地方活性化に繋がり
最終的には税収増となり
日本の経済をも救う。
秋田県の取り組みは
全国でもごく少数派かも知れませんが
「地産地消」を遥かに超えた
画期的且つ壮大なプロジェクトなのです。