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三河の魅力に迫る!その①~三州三河みりん

8月に入りました。今年も残すところ4か月となります。
月曜日担当 発酵ライター 浅川 つぐみです。
今日は長く語ります!
8月2日3日と日本発酵文化協会の特別講座
2日三州三河みりん醸造元(株)角谷文治郎商店角谷利夫社長による
「みりんの正しい使い方と魅力を知る」
3日日東醸造株式会社 蜷川洋一社長による
「魅惑の醤油“白醤油”の魅力を知る」
という発酵調味料を極めるような魅力的な講座に参加してきました。
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この2社に共通していることは、
愛知県碧南市を拠点とし、醸造業をされています。
愛知県碧南市という所は、綿糸、矢作川が流れ、
醸造に適した水の良さと、
三河平野、濃尾平野で収穫される米や麦、大豆等が豊富で、
温暖な気候に恵まれ、200年以上前から
清酒、みりん、味噌、溜まり醤油の醸造が
盛んに行われていた地域だそうです。
まずは一日目、三河みりんの魅力を、
日本発酵文化協会代表講師である是友麻希先生
角谷文治郎商店角谷利夫社長がトークショーを交えて語ってくれました。
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三河のみりんの始まりは、
江戸時代から盛んであった酒造りにより、酒粕が豊富で、
酒粕を蒸留した「粕取り焼酎」が作られるようになり、
この「粕取り焼酎」を用い、
もち米米麹を仕込んで作られるようになったのが、三河のみりんです。
三州三河みりん 700ml/角谷文治郎商店

みりんというのはもち米9割
米麹のうるち米1割本格焼酎で出来ています。
「三州三河みりん」のもち米は特別栽培米「有機三州味醂」はもち米もうるち米も有機栽培のものを使用しています。
みりんは明治大正時代には甘味滋養飲料として親しまれ、
製造技術の積み重ねにより調味料として現在に至っています。
実際に販売されているみりんには、様々な種類のものが存在し、
消費者である私たちは、何を買えば良いものなのか、
店頭でよく悩まされることがあります。
私はつい最近まで「ほんてり」はみりんだと思っていたのです。
みりんにはもち米米麹本格焼酎
2年
かけて作られる三河みりんの他に、
米麹醸造用アルコールを加え、工業的に作られた
トウモロコシ由来のブドウ糖や水あめを添加して
2∼3か月で作られる本みりんがあります。
本来なら、ゆっくり時間をかけて微生物の力で
発酵させて甘みを持たせた調味料なのですが、
便宜上早く大量に作るために、甘みを足したり、
香りを足したりしているのです。
みりんは江戸時代甘いお酒として醸造され、
お酒として庶民に浸透してきました。
一升のお米から一升のみりんが造られるという
「米一升みりん一升」の仕込み方法で
お米の旨みや栄養がたっぷりとあり、
甘味滋養飲料としても親しまれてきました。
ところが、戦中・戦後の米不足から、
みりんは贅沢品とみなされ、製造禁止に追い込まれ、
製造再開後も贅沢品とみなされ、
1ℓ1000円のうち762円もの酒税が課され、転廃業が相次ぎました。
酒税を逃れるために誕生したのが、
穀物を原料に糖化(甘くした)した液に化学調味料、
添加物加え、アルコール分を含まない「みりん風調味料」
アルコール分を含みながらも塩分を添加することにより、
飲用にならないとみなされる「塩みりん」と呼ばれる「発酵調味料」です。
以前スーパーではお酒を取り扱うことができませんでした。
お酒の取り扱いには製造免許の他に販売免許も必要なのです。
以前スーパーに並んでいたものがこの種のものになり、
私たちにみりんとして深く浸透してしまいました。
現在でも一般的なみりんは、もち米・米麹の他に、
米と米麹と醸造用アルコール、
工業的に作られたトウモロコシ由来の
ブドウ糖や水あめを添加して作られています。
3倍4倍と醸造用アルコールで薄められており、
思えば、量を多く入れないと、料理の味が決まりません。
三河みりんのように素材が本物のみりんは、
ほんの少し加えるだけで風味良い料理に仕上がり、
お砂糖の代わりに使えるものです。
安価なみりんを大量に使うのと少し贅沢なみりんを少量使うことと、
あまり変わりがないようにも思います。
調味料も食品も乱立している時代、正しいものを選べる情報を提供することも
日本発酵文化協会の担う役割なのかもしれません。
三州三河みりん醸造元(株)角谷文治郎商店のみりんは本物です。
みりんお砂糖で作った是友先生の卵焼きです。
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是友先生の卵焼きは私も習いましたが、とても美味しい卵焼きなんです。
みりんで作った卵焼きとお砂糖で作った卵焼き、
明らかにみりんの卵焼きのほうが大きいのです。
みりんは保水性があり、水分を抱き込むので、水も出ず縮みません。
これはお米のたんぱく質がペプチドの状態(分子手を繋いでいる状態)なので、
素材の表面に水分を引き留めるのです。
鶏の照り焼きや焼き鳥を作ってもタレが垂れません。
お弁当の卵焼き、縮んで水っぽくなったり、
照り焼きのタレは他のおかずに染みてお困りの方、
みりんで作ってみませんか?
日本では調味料としての認識が高いのですが、
みりん和のリキュールと海外ではセールスされています。
みりんを使った飲み物、
ミントとライムとソーダのみりんモヒートとペパーミントとみりんのカクテルです。
日本人の味覚は甘みに敏感だそうで、
甘さによって味覚が研ぎ澄まされていくそうです。
つまり、みりんの甘さが引き金になり、
味覚が研ぎ澄まされ、旨みを認識していくわけです。
お砂糖の甘さが口の中にべったりと
残っていたうえでの味覚の認識ではないのです。
「甘さの向こうの旨み」
角谷文治郎商店の角谷利夫社長は素敵なお話をして下さいました。
口の中ではお米の一部の甘さしか味わうことが出来ません。
でんぷんをアミラーゼで分解した甘さだけだそうです。
もし、腸に味覚があったなら、みりんの味は腸で味わうお米の味に近いそうです。
お米の美味しさを丸ごと表に出したのがみりん
照り・つや・こく・旨みを出し、臭みを消し、
煮崩れも防いでくれるという万能調味料です。
日本の発酵という伝統製法で作られた、
お米の自然な甘み調味料、普段使いの調味料に足してみませんか?
とてもおすすめです。
ここでお知らせ!
9月16日月曜日〜
日本発酵文化協会の講師で
料理研究家のいこまゆきこ先生プロデュース1日限定
“発酵カフェPukuPuku ”祐天寺 豆種菌で開催します。
私も甘酒ライターの明日香さんもスタッフとして参加いたします!
三河みりんのデザートをご用意いたしますので、是非いらして下さい!
カフェは予約制の予定です。詳細は後日またお知らせいたします。
期待してお待ちください!