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北海道の発酵食品

北海道の実家に来ています。今年は雪が多く昨日はすごい吹雪でした!寒いです。
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月曜日担当、発酵マイスター2期生 発酵ライター浅川つぐみです。
いつもは天然酵母やパンの話なので、今回は北海道の発酵食品の一部をご紹介したいと思います。
 
北海道は発酵食品の宝庫です!
北海道に住んでいた頃、発酵食品はとても身近にありましたがあまり興味がなく、自分の好みには合わない味として好んで食べることもしませんでした。
今思えば、とても残念なことです。
身近に当たり前にありすぎると、気が付かないことって沢山ありますよね。
 
そんなわけで、今回改めて身近に手に入る発酵食品をいくつか買ってみました。
今回はこちらではとてもメジャーな佐藤水産さんの発酵食品をいくつか購入したので、ご紹介したいと思います。
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まずは有名な『鮭醤油』

『鮭醤油』
東京農大小泉武夫先生佐藤水産さんのコラボで作られた魚醤(うおびしお)です。
お醤油は日本の発酵調味料ですが、そのルーツは中国の(ひしお)にあると発酵マイスターの講習で勉強しました。
は野菜、果物を発酵させた草醤(くさびしお)、魚介類を発酵させた魚醤、お肉などを発酵させた肉醤(にくびしお)、穀物などを発酵させた穀醤(こくびしお)と4種類あり、それぞれの素材が発酵して旨み成分に変わります。
 
『鮭醤油』は新鮮な鮭の内臓を塩と麹で熟成したもので、ダシを取ったような香と味わいのお醤油です。ちょっとたらすといつものお料理が風味深くなります!
 
左から、ちょっとマニアックな鮭の腎臓を塩に漬けこんだ『めふん』という珍味。
めふんというのはアイヌ語腎臓を意味するメフルが語源になっているそうです。
鮭一尾をから盃1~2杯しか取れないという貴重な珍味中の珍味!
昔、父がよく酒の肴にしていた記憶があります。
 
その隣は『石狩味』お刺身状の秋鮭を麹で1か月以上低温熟成した逸品で、贅沢なご飯のお伴になります。
 
次は『鰊切込』、北海道といえば鰊! 小樽には鰊御殿という観光名所があるくらい、昔は鰊(にしん)が沢山取れたそうです。 こちらも魚醤づくりを鰊で応用し、その過程でほどよい旨みになった時に食べるという北海道生まれの珍味だそうです。
 
そして『飯寿司』こちらもマイスター講習で勉強しましたが、寒い時期にご飯と野菜、麹を混ぜて漬け込み発酵させたもので、鮭やホッケ、にしん、ハタハタなどのお魚にキャベツや大根、人参などを加えて仕込んだものです。
私は昔、このほどよい酸味が好きではありませんでしたが、今の季節の帰省でしか食べられない懐かしい味となっています。
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こちらは日常食べられるチルド商品で『紅鮭さざ浪漬け』
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これは鮭を麹漬けにしてあるものですが、麹の旨みが鮭に加わって、鮭の香味が高められています。
今回はこの鮭を使って、是友先生が先日出版された本『今日の発酵食ごはん』に掲載されている“発酵鮭ちらし”を作り、友人たちと自宅同窓会をしました。
楽しくて美味しいひと時を過ごせました。
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ざっと北海道の一部の発酵食品をご紹介しましたが、
この他にもホタテの発酵調味料やお魚の糠漬け、カボチャやジャガイモのお酢、チーズなど様々な形の発酵食品があります。
次回の帰省のときにまたご紹介したいと思います。
 
発酵は微生物の生命活動そのもの。丁寧に微生物と付き合うと色々な素材で素敵な味の発酵食品が出来るんですね。改めて感動です。