ブログ
秋田酒蔵紀行① ~創業400年の奇跡「木村酒造」~
皆さん、こんにちは。秋田支部 認定講師の貝塚順子です。
今年は雪の少ない日が続いた秋田ですが、
ようやく秋田らしいイベントが県内各地で始まりました!
秋田県民だけでなく、
全国の日本酒LOVERが待ちに待った、
その名も、
「酒蔵開放」キャンペーン!!
秋田には、日本でもトップクラスを誇る酒蔵が数多くあります。
今年は県内にある38の酒蔵のうち、
18蔵がこのイベントに協賛していますが、
今回から数回に渡り、訪れた酒蔵をひと蔵ずつご紹介したいと思います。
まず、最初に訪れた蔵は、
今、私が個人的に最も愛してやまない酒蔵、
湯沢市にある、創業400年の老舗「木村酒造」さん。
創業400年 「福小町」で有名な木村酒造さん
湯沢市は、お隣の山形県と宮城県に隣接する、
秋田の最南端にある市です。
この地で今から400年ほど前、
当時、豊臣家の重臣であった木村家一族の、
「ここでしか造れない、ここでしか飲めないお酒を造ろう!」
という、高い志から始まった酒造り。
当時としては非常にハードルの高い挑戦であり、
まさに「地産地消」の原点でもあります。
ちなみに酒蔵開放は無料解放。
蔵のハッピを着た係の方(おそらく普段は杜氏さんや営業の方々)が、
「入っていいですよ~」と案内してくださったエリアに、
白衣を着るでもなく、帽子を被るでもなく、
靴もそのままの状態で入ることができるという懐の広さ。
誰もが気軽にふらりと立ち寄ることができるのも魅力♪
寒くひんやりとした蔵の中で振舞われる酒粕汁や甘酒やぬる燗、
酒粕の詰め放題などに大勢の人が並び、
さながら「大人のお祭り」です。
木村酒造の麹屋さんが作る米麹で作られた温かい甘酒。絶品!!
冷えた体に芯まで染み入る酒粕汁とチロリで温められた熱燗。
市販されていない酒粕の詰め放題200円!奥さんに頼まれた旦那さん達、腕の見せ所、必死です!(笑)
蔵から出されたばかりの絞り立てほやほやの生酒や
まだ市場に出回っていない、
丹精込めて作られた珍しい日本酒や、
この日しか食べることのできない酒粕漬けのお漬け物。
思わず販売を懇願するほど、箸が止まらない酒粕漬けはこの日限定。残念!
この日は、特別に、執行役員でもある石川亮逸さんが、
生酒や50℃に温められた熱燗など自社の日本酒を自ら降るまいながら、
訪れた方ひとりひとりに丁寧に説明してくださるなど、
自分たちが造った日本酒への熱い思いや自信、
愛情がひしひしと伝わります。
執行役員営業部長の石川亮逸さん
この日、限定80本販売「オーディナリー」。添加用アルコールは自社の焼酎で。
そして去年から今年に掛けて、
自宅でも外でも相当数飲んだ、
木村酒造の特定流通ブランド(特約店のみ取り扱い可)、
「角右衛門(かくえもん)」。
この酒は従来の酒造りとは一線を画し、
すべて手探りの連続だそう。
まさに、チャレンジ精神で挑むイチかバチかの酒造り。
そして美味しく出来たもののみ、
私たちが恩恵にあずかれていたということ。
まるで奇跡のような出会いです。
労力×時間×コスト×愛情×奇跡 = 極上の日本酒
お話を伺うたびに、
日本酒造りは想像を絶する苦労のもと、
まさに先達から続く努力と奇跡が何重にも重なり合った、
贅沢このうえない極上の逸品だと感じます。
酒蔵開放の魅力は、日本酒を片手に、
普段、自分が好きで飲んでいるお酒が、
どこでどのように作られているかを見学できるだけでなく、
蔵に1歩足を踏み入れることによって、
空気感や匂い、湿度や温度、積み重ねられた歴史、
作っている人達それぞれの熱い思いなどを、
自分の五感をすべて使って体感できることも
大きな魅力のひとつなのだと思います。
歴史ある蔵ならではの美術館のような工芸品。
受賞例も多数。蔵人はみんなピュアな清潔感と驚くほどの美肌揃い!
たくさんの美味しいお酒を堪能した大人達が、
楽しそうな笑顔でほろ酔い気分になりながら、
酒蔵をあとにする幸せな空気感もまた良いものです。
秋田美人もたくさんの美味しい日本酒にうっとりほろ酔い♡
この日は他に、爛満(らんまん)・両関(りょうぜき)と
はしごをしましたが、その様子はまた次回。
秋田の酒蔵開放キャンペーンは、
4月までまだまだ続きます。
お近くの方もそうでない方も、
ぜひ電車に揺られながら足を運んでみてくださいね!
【木村酒造】
〒012-0844 秋田県湯沢市田町2丁目1番11号
TEL 0183-73-3155
FAX 0183-73-3154
【福小町日記】麹づくりが芸術的でとても興味深い
【秋田県酒造協同組合】