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うま味の宝庫「魚醤」

みなさん、こんにちは。
発酵プロフェッショナル、発酵ライター 石川恵利香です。
 
先日、フランス料理シェフのトマトと魚醤を合わせたお料理をいただき、魚醤がフレンチにも使えるのか!と驚きの体験をしました。
 
そんな体験から今回のテーマは『魚醤』です。
 
 
魚醤とは、魚などの魚介類と塩を漬け込み、乳酸菌や魚介類がもつ酵素の働きによって発酵させてつくる発酵調味料です。
 
魚介類と塩を漬け込むだけで、魚の原型がなくなるほど、どんどん分解されていきます。
 
この魚醤こそが発酵食品のなかで最も歴史が古いともいわれています。
 
 
日本の有名な魚醤と言えば、はたはたやこうなごを原料に作る秋田の「しょっつる」、いわしやいかの内臓から作る石川県能登の「いしる」、イカナゴが原料の香川の「イカナゴ醤油」の三大魚醤です。
世界の有名な魚醤は、タイの「ナンプラー」やベトナムの「ニョクマム」です。
 
日本は醤油や味噌などの発達により魚醤をメインに使うことは少ないですが、東南アジアなどは今も味つけのメインに魚醤を使用しています。
 
 
魚醤の最大のポイントは、味噌や醤油にはない動物性のうま味にあります。
少量加えるだけでコクや風味が増し、味の印象がガラリと変わります。
パスタや焼きそばなどの麺類に入れたり、チャーハンやカレー、お鍋に入れたりといつものお料理にプラスして楽しむことができます。
 
 
私の住んでいる北海道も豊富な海産物を活かし、魚醤の生産に力を入れています!
一番多いのは北海道らしい鮭を利用したもので、魚類(ホッケ、さんま、キンキなど)や貝類(帆立やホッキなど)更にはエビやウニなどたくさんの種類があります。
 
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魚醤の生産には魚の皮や内臓も使えることから、副産物を余すことなく活用できるというメリットもあり、実は魚醤はエコな発酵調味料なんです。
海産物が豊富な日本ではこれからますます注目される発酵技術だと思います!
 
独特な香りが苦手な方は加熱することで香りがうすくなりますので、いつものお料理に数滴からぜひ活用してみてください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。