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年明けは、味噌仕込み!
あけましておめでとうございます!
発酵プロフェッショナル 発酵ライター 浅川つぐみです。
今日から仕事始めの方が、大勢いらっしゃることと思います。
お正月休みは、ゆっくり過ごせたでしょうか?
本年も頑張って参りましょう~!
私は、初仕込に豆味噌と米味噌と麦味噌を仕込みました。
来年のお正月には、いただくことが出来るでしょう。
年初めに、お味噌のことを少し調べてみました。
お味噌は、1300年もの間、日本人の食卓を支えてきた発酵食品。
豆味噌は、今年初めて仕込んでみましたが、良い大豆と食塩、水だけを原料に熟成させてつくる中京地方の味噌で、八丁みそのほか、三州みそ、名古屋みそ、赤みそなど様々な名称で呼ばれています。
名古屋圏などでは、お味噌汁と言えば、八丁味噌になるそうで、八丁味噌は熟成に3年かかるそうです。
豆麹というのははこんな感じです。
粒が大きいので、食塩水をいれるとすぐに吸い込んでしまいました。
大豆は、畑の肉といわれるほど、栄養がたっぷりで、米や麦を一切使わず、大豆を原料に造られる豆味噌には、筋肉や皮膚など健康な身体をつくる素になるタンパク質の他、ビタミンやミネラルが豊富。
また様々な健康効果が注目される乳酸菌や酵素を含む、素晴らしい発酵食品で、さらに、ビタミンE等に劣ることのない高い抗酸化性もあり、生活習慣病や老化の抑制に期待が持てそうです。
豆味噌、素晴らしいですね!
麦味噌に使った麦麹はこんな感じです。塩切した麹です。
麦の線が見えています。
麦味噌は、中国、四国、九州で作られる味噌で、塩分が低く、麹を使う量が多いので香りも甘みも強い味噌だそうです。
関東などで作られている麦味噌は塩分が少し高めで、麦味噌で味噌汁を作った場合、黒い線のようなものが残るため、味噌こしをしなければないという手がかかりますが、麦味噌の香りがとても良いのは、味噌汁を作るときに味噌こしを使って味噌を溶き入れ、そのときに初めて麦の中の麹が空気と触れるからだそうです。
お味噌汁にすると、米味噌よりあっさり目なので、夏のお味噌汁に向いています。
そして、米味噌に使った米麹。塩切途中ですが、これは玄米麹です。
普段、一般的に使われているのが米味噌で、東日本、近畿、北陸で特に好まれて使われている味噌です。
色も様々で、黄色や黄色っぽい白、赤などがあり、色の薄い米味噌の場合は大豆を煮て作りますが、色の濃い赤い米味噌などは大豆を煮ないで蒸して作ったりするそうです。
成熟期間は、麹歩合によって変わり、米麹を多く使っているものほど短く済み、淡色系の米味噌では西京味噌、信州(長野)味噌が有名で、赤いものは仙台味噌、津軽味噌が有名で、それぞれ甘みが強かったり辛みが強かったりと個々に特徴があります。
味の違い、それも味噌の楽しみの一つです。
こうして並べてみると、同じ味噌でも材料によって、地域や違いが良くわかります。
味噌の甘みは、米のでん粉は麹のアミラーゼにより分解されるためで、米麹の多い味噌ほど甘味が強くなります。
注意しないといけないことは、糖分は熟成期間が長いと、酵母や乳酸菌によって食べられて減少してしまい、甘味が減ってしまうということ。
いい味の所で冷蔵庫に入れて発酵をゆるめるのがいいかもしれません。
味噌の旨味は、大豆たんぱくが分解してできるアミノ酸(主にグルタミン酸)に影響され、熟成の進んだものほど旨味が強くなります。
味噌の塩味は、仕込み初期には塩辛く感じられた味噌も、熟成するに従って塩辛味が減少します。
この塩分濃度は同じであるのに舌に感じる塩辛味が減る現象を「塩なれ」というそうで、酸味や旨味成分の影響を受けた結果そうなるそうです。
「塩なれ」させる物質としては、乳酸・ペプタイド・アミノ酸があるそうです。
日本の伝統発酵食品の味噌ですが、仕込んだ樽の中では、色々な化学変化をしているようで、伝統的ではありますが、ケミカルな部分もあり、日本人の昔ながらの知恵というのは、やはり素晴らしいなぁ~と新年早々味噌を仕込みながら思いました。
今年の手前味噌は、どんな風に出来るのかな。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。