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全国発酵食品サミットinこうざき

皆さま、こんにちは。
日本発酵文化協会 インストラクターの小坂純子です。
まだまだ寒さの厳しい日が続いておりいますが、お元気でお過ごしでしょうか?
こんな寒い日には、やはりご自身で育てた「my味噌」の出番です。
お味噌汁や味噌鍋、味噌おでんなどでココロとカラダを芯から温めましょう♪
また、酒かすや辛味調味料を加えることで、ポカポカした状態がさらに長続きします。
ぜひ皆さんも試してみてくださいね。

 

さて、今回は先日1月20日(日)に千葉県香取郡神崎町(こうざきまち)で開催された、
「日本発酵食品サミットinこうざき」についてのレポートをお届けします。

 入口

 

コーディネーターは醸造学・発酵学の第一人者であり、発酵の神様とも言われるこの方、
「発酵仮面」こと小泉武夫先生です!

小泉先生
秋田県横手市で開催されたこのイベントも今年で6回目を迎え、
関東地方では初めての開催です。
日本発酵文化協会からも代表理事の横山と代表講師の是友を始め、
2名の講師と事務局スタッフが参加しました。

 

開催場所は都心から約2時間半、主要の成田駅からは電車が1~2時間に1本、
さらに駅から歩いて15分・・・という、とても不便な場所にも関わらず、当日は人・人・人の渦!

 

この日は全国から集まった蔵元の方々、地元の発酵食生産者、
「発酵好き」、「発酵マニア」、「発酵オタク」…etc.etc.「発酵人(はっこうじん)」が大集結!
発酵への愛情と熱いエネルギーで、会場が丸ごとが発酵しそうな勢いです!!

ブース

展示ブースでは売れ切れが続出し、手に入らない発酵食品も多数あったそうです。
私の地元、秋田県横手市の出展ブースも大賑わい!
「早々に売り切れた」秋田の発酵食品はコチラ↓↓↓
とうふカステラ
◆豆腐カステラ
 
AmazakeImage01
◆日の丸酒造 吟造りあま酒

 

入り口では、つきたてのお餅に発酵きなこやゴマ、大根をまぶしたもの、
餅つき男の子

千葉県の味噌蔵さんから直送された味噌で作った豚汁など、
目と鼻と胃袋が刺激されっぱなしで、ついつい食欲が進みます(笑)

豚汁

さまざまな種類の味噌や、こんな珍しい麹蓋(こうじぶた)も見て、触って、食べてみての大サービス!
こんなやりとりもイベントならではの楽しさです。

麹蓋

 

おなかと好奇心がほど良く満たされたところで、
いよいよ本日のメインイベント、小泉先生のお話を伺うために会場内へ移動です。

小泉先生トークショー

発酵に関する新たな知識を学ぼうと、ステージ上の小泉先生には、
たくさんの熱く真剣なまなざしが注がれます。

 

開始10分、小泉先生の巧みな爆笑トークに、
横山代表を含めた講師陣、涙を流して笑っていました(笑)

 

発酵は本当におもしろい!そして奥が深い!!

 

そして私自身、講座で「菌は生き物」と幾度となくお伝えしていながら、
またもや「はっ!」と気付かされたことのひとつに、
「江戸時代の麹菌と現代の麹菌は違う」ということ。

 

そうなんです、生きているからこそ、
彼らも進化をしているんですね。

 

江戸時代の麹菌は熟成と発酵が進みづらく、
発酵食を作るために当時の人たちはとても苦労したそうです。
味噌や醤油がまだまだ貴重だったことが、
こういうお話からも学ぶことができます。

 

また、今回、改めて気付かされたのは、「甘酒の素晴らしさ」についてです。
私自身、じつは30代後半から「秋田美人」とは程遠い、
加齢と糖化による「黄ばみ」に悩み続けていました。
ところが甘酒を飲んで3ヶ月頃から肌が変わり、今ではすっかり元のような白さを取り戻した、
という実体験があります。

 

甘酒は総合ビタミンでもあり、総合アミノ酸でもあるということ。
だから「飲む美容液」、「飲む点滴」と言われていること。
そして、それ以外の人工的なサプリメントは一切不要だということ。
とにかく書ききれないほど、本当に優れた効果がたくさんあるのですが、
小泉先生の熱いトークで会場にいたほぼ全員(特に女性)が「甘酒信者」に大変身(笑)!

 

小泉先生のトークショー直後、わずか数十秒で売り切れた甘酒はコチラ↓

麹’s

その後、地元の小学生から「発酵の謎」についての素朴な疑問をどんどん答える小泉先生。
さすがは「全国こども電話相談室(TBS)」のパーソナリティ、子供目線で分かり易く伝えるテクニックもさすがです!

 

中でも一番心に残ったのが、
「納豆が嫌いですが、どうやったら好きになれますか?」
という、男の子からの質問。

 

小泉先生曰く、
「君たちはいろんな物の命をもらって生きていること、知ってるかい?
お肉やお魚の命はもちろん、植物からも命をもらっているよね。
だから『(命を)いただきます』なんだよ。納豆も納豆菌が大活躍することで、豆から納豆になるんだけど、
その時にどのくらいの命が含まれているか知ってるかい?
納豆は1粒で、なんと500万個の命が入っているんだよ。
僕たちはその500万個の命で生かされているんだな。
ちなみにヨーグルトは1グラムで1億1000万個の命。すごいよねえ。
だから納豆を食べるというのは、何億、何十億個の命で生きているっていうこと。
君はニチャニチャ(ネバネバのこと)が嫌いかい?

勢いで「エイヤー」って食べてごらん。(会場、爆笑)
何度か食べているうちに、「あれ?大丈夫かも?」って思う時が来て、
そのうちどんどん好きになるから。ね、試してみよう!
(肩をポンポンとたたきながら)納豆を食べて、元気なカラダを作るんだよ。
わかったかい?(会場、爆笑と大きな拍手)」

「自分が他者に生かされている」ということ、
「発酵食品を食べる=命をもらっている」
ということに、
子供の素朴な疑問を通じて、改めて感謝の気持ちが湧いてきたのは私だけではないはずです。

その後、各蔵元のパネルディスカッションが始まり、
千葉の「五味醤油さん」の兄妹がモデルになり、そして最近では密かなブームを呼びつつある、
「手前みそのうた」が流れ会場が和やかな空気に一変。
手前味噌の歌
♪手前みそのうた♪

 

他にもさまざまな蔵元の方々の熱いトークが繰り広げられ、トークショーは無事に閉幕です。
その後はサミットの会員による親睦会が開かれました。
珍しい発酵料理を肴に、寺田本家さんの日本酒で談笑する参加者の皆さま、
お酒の強さも筋金入りです(笑)

懇親会①

お開きの後は会場を移し、発酵食堂『豆種菌(まめたんきん)』とも深い繋がりのある寺田本家さんの蔵元で、
スタッフのお疲れさま会に協会の講師陣もお邪魔させて頂きました。
寺田本家

 

さらに濃くて熱い発酵食品への思いや愛情が語られ、気付くと終電間際!
再会を約束し慌ててその場を後にしながら、帰りの車の中や電車の中でも、
周りの視線を気にすることなく、更に熱く語り続ける講師の作間&小坂(笑)皆さま、本当にお疲れさまでした!

 

丸一日、全国のさまざまな蔵元の方々やたくさんの発酵Loverとお会いして、
発酵を通じて改めて感じたこと。その昔、「私の血はワインで出来ている」と語った女優さんがいましたが、
まさしく「日本人の血は発酵食品で出来ている」。
発酵食品はまさに「日本人の命」です。

 

そして、「『発酵人(はっこうじん)』に悪者無し」
この一言に尽きると思います。
【小泉武夫先生/略歴】
東京農業大学名誉教授。
1943年生まれ。福島県出身。
東京農業大学卒。農学博士。
現在、東京農業大学教授・鹿児島大学客員教授、広島大学客員教授。
全国地産地消推進協議会会長(農水省)、食糧自給率向上推進協議会会長(農水省)、農水省政策研究所客員研究員など 要職を兼務し、新聞やテレビ、ラジオ等で全国的に幅広く活躍中。著書は単著96冊、共著23冊を数える。 日本発明協会各賞をはじめ、随筆「中国食材考」によるベストエッセイスト等受賞多数。