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寿司の産みの親は??
是友麻希です。
皆様は、お寿司は好きですか?
私は大好きです。
異常に好きです。
毎日寿司でもいいくらい好きです。
あまりに寿司が好きすぎて、結局寿司屋で修業をして
魚料理研究家になってしまったわけです。
そんな大好きな寿司ですが、もともとは発酵食品だということをご存じでしょうか?
今でこそ、寿司の「す」は酢ですが、もともとは乳酸菌の出す乳酸の酸味です。
海に囲まれた日本がまだ冷蔵庫がない時代に、魚を保存する技術として発達しました。
これが「熟鮓」と言われるもので、「はたはた寿司」や「フナ寿司」などが有名です。
塩漬けにした魚を米や米麹と共に発酵させたもので、やがて酸味と共に匂いも出てきます。
やがて、発酵を早めるため、簡単にするためにこの熟れ寿司に酢を混ぜ始めます。
これが、現在の“握りずし”の原型となった“半熟れ" と呼ばれるものでした。
そして、やがて、酢だけで作り早くできる寿司「早すし」が誕生するのです。
しかし当時の酢は、米からできている米酢で、大変高価なものでした。
そこに目をつけた人がいます。
米酢を粕酢にすることができたら、もっとおいしくて手軽なすしがつくれるはずだ
粕酢というのは、その名の通り、酒粕から作ったお酢のこと。
そして、積極的に江戸への売り込みを開始。
すると、「粕酢の風味や旨みがすし飯に合う」と、
江戸でも人気のすし屋がどんどん粕酢を使うようになります。
江戸っ子のハートをつかんだ握りずしの大ブームとともに、
この粕酢は江戸前ずしに欠かせないものとなっていったのです。
この偉業を成し遂げた人こそ、ミツカンの初代 中野又左衛門 さまさま なわけです。
私の大好きなお寿司が、彼がいなかったら生まれなかった可能性があると思うと、
感謝せずにはいられません。
そんなわけで、ミツカン本社のすぐ横にある「酢の里」博物館にお邪魔致しました。
現在、大部分が工事中ですが、とても素敵な外観です
やはり大手企業さんの博物館だけあって、残っている使用が沢山あります。
私の大好きなキツネ桶も発見!!(マニアックですみません・・・・(笑)
今でも、ミツカンは粕酢を作っています。
そもそも、お酢というのはどうやって作られるかご存じでしょうか?
とても簡単に言うと
①酒を造る
②この酒に酢酸菌を入れ発酵させる。
③酢酸菌が酢酸発酵して酢になる。
これだけです。
酒を開けてから放置すると酸っぱくなりますが、
これは自然界の酢酸菌が入りこみ繁殖するためです。
基本的には、その原理と一緒です。
では、粕酢はというと・・・・・
まずは酒粕を数年熟成させます。
そうすると、こんなに色が真っ黒になります
わかりますでしょうか?
右が、普通の酒粕。
左が3年貯蔵した酒粕です。
酒粕を3年以上熟成すると甘み・旨みをたっぷり含んだアルコールができます。</font>
これを蒸留したものが、「粕取り焼酎」といわれる、非常に高級な焼酎です。
そして、
この真っ黒になった酒粕の搾り汁に酢酸菌を繁殖させ、酢酸発酵させたものが
粕酢なのです。
この粕酢が江戸でウケたのには、いくつか理由があると考えられますが
主には3つだったのかなと私は思っています
① 便利!海運の便が発達して江戸へ運びやすかった。
② 安い!酒粕はいわば廃棄物だから高品質のわりには安かった。
③ 甘い!すし飯を作るときの酢には、砂糖を加えるが、当時の砂糖はまだ高価。
粕酢は最初から甘みがあり、砂糖が不要だった。
この3つの理由があったからこそ、私の大好きなお寿司は、
江戸前ファーストフードとして大発展していくのです!!
ちなみに、当日のお寿司はテニスボールくらいあったと言われています。
これと、2つに切って食べたそうです。
なので、現在、寿司を2カンずつ出すのは、この名残りなんですよ。
いや~、ミツカンさまさまです。
現在でも、ミツカンでは、1年以上熟成させた酒粕を使っており、「山吹」という名で
ネットで販売されています。→こちら
是非お試しくださいませ!
昨年、日本発酵文化協会を立ち上げて思うことがあります。
それは、こういう発酵食品や健康に興味を持っている人に
「大手メーカー」を毛嫌いする人が多いということ。
大手の醤油は、混ぜものだから・・・・
大手のお酢は、へんなもん入っているから・・・・
大手の味噌は、ただの練ものだから・・・・・
確かに、そういうものもあるかもしれません。
しかし、私はそういう問題ではないと思う。
大手メーカーには、そうなり得た長い歴史があるのです。
その歴史がすべてを物語っていると思います。
こういう歴史を知れば知るほど、一生懸命真面目に
作っている大手メーカーさんは沢山あるということを感じます。
ものには、必ず作る目的があります。
そのお酢の裏表示を見て、もしも気に入らない表示があるのであれば、
それはたまたま、その商品の目的とあなたの目的が異なっただけです。
私の大好きなお寿司を生んでくれた初代に感謝すると共に、
まずは、山吹を購入してみようと思います♪
私も♪という方は→こちら
お寿司ばんざい!
ミツカンばんざい!
ところで、話は変わって、今突然気付いたことがあります
私の大学時代の専攻は、「日本語教育」といって、
外国人に日本語を教える学科でした。
しかし、日本の英語教育と同じで「これは机です」とかいう
わけのわからない日本語を教えたところで、何の役にも立たない教育に疑問を持ち
日本語を学びたい人は、日本の歴史にも興味があるはずだと、日本史学部も専攻。
特に江戸時代の町人文化や食生活について、研究していましたが
毎日古文書を読むばかりで、それを外国人に教えるほどには至りませんでした。
そのうち、卒業、就職し、やっぱり食べることが好きだ!と寿司屋で修業し、
料理研究家になり8年目。
今、ふと気づきましたが、私がやってきた食文化研究は、日本発酵文化協会へと繋がり、
それが先日のイギリスのテレビの取材(こちら)で、外国人に日本の発酵食を教え、
なんだ、全部形になったではないか!!!!!!!!!!!!!
と、たった今気付きました(笑)
こうやって、繋がっていくのね。
企業の歴史も、人の歴史も面白い!
最後に、現在は、ミツカンは沢山のお酢を作っていますが、その中でも一番売れている商品は
何だと思いますか?
正解は、味ポンだそうです。
味ポンすごいね!!
もしもかしたら、300年後くらいに主流になる料理の原型はこれだ!!と、
味ポンが紹介される未來もあるかもしれませんね。
ミツカンさん、寿司を流行らせてくれて、ありがとう♪