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【発酵コラム㉙】チョコレートの発酵

皆様こんにちは。

上席講師の藤本倫子です。

 

よく時代劇などで、お菓子の箱の下に入れたお金を悪代官に渡す。。。

というようなシーンを目にすることがありますが、

これは、いわゆる『袖の下』というものですね。

この言葉を調べると、現代では類義語に「賄賂」などの言葉が出てきますが、

実はこの『袖の下』という言葉、発酵にも関連して生まれたものなんです。

 

その昔、酒税は国家予算の半分近くを占める重要な財源でした。

当時の酒税は造石税で、出来上がった酒の量によって蔵元が税金を支払っていました。

冬に仕込みが終わり、酒が出来上がると、役人が酒造場へ行き、

タンクの中の酒の量を尺という長い物差しを使って液面までの距離を測定していました。

この尺の目盛りの読み方により、酒の量は決まり、支払う税金が決まります。

この測量時に、袖の長い着物を着た役人の側で、

蔵元が「袖の下」に金銭を忍ばせ、

袖の重さを感じながら、尺の目盛りを何度も読み直した。と、伝わっています。

そんな事を、綺麗なチョコレートのギフト箱を見ながらふと思い出したのでした。

 

そして、意外かもしれませんが、チョコレートも発酵食品のひとつです。

 

【藤本発酵コラム㉙ チョコレートの発酵ってどういうこと?!】

 

日本発酵文化協会のベーシック講座「麹教室」などでは、参加された皆様に世界の発酵食品について知っているものを挙げていただいています。

時々出てくるのが、チョコレートです。

ただ、チョコレートは発酵食品だと知っていても、どんな風に発酵されているかわからないという声も聞きますので、今回コラムで簡単にお伝えしようかと。。。

 

私自身は、高校生までチョコレートが嫌いでした。

ところが、大学に入り、友人が毎日チョコレートを食べていたので、

一緒に食べさせられていたら、私の方がすっかりハマってしまい、大学の卒業論文ではチョコレートの発酵についてをテーマに書きました(笑)

 

チョコレートの原料はカカオですが、

ラグビーボールのような形のカカオポットと呼ばれる実です。

この実を割り、中のカカオ豆を利用していくのですが、

カカオ豆には白い果肉(カカオパルプ)が種の周りにしっかりまとわりついています。

この白い果肉を発酵させるのです。

 

カカオの実(カカオポット)から取り出したカカオ豆(白い果肉付き)を

バナナの葉等でしっかり包みます(嫌気性にするため、きっちり包みます)

嫌気性にすることによって、乳酸菌と酵母菌が働き、

バナナの葉の中でアルコール発酵が行われます。

アルコール発酵後、包んでいるバナナの葉を開け、

ぎっしり詰め込んでいるカカオ豆をかき混ぜます。

 

ここでかき混ぜることによって、酸素を入れるのです。

酸素を入れることで好気性になるため、

乳酸菌は継続して働き、空気のある環境が大好きな酢酸菌が

アルコールをエサに働き始めます。

 

この間、1〜2週間と言われています(国やメーカーによって違います)。

この発酵で、カカオ豆についている白い果肉が溶けてなくなり、

完全にカカオ豆だけになります。

 

ここで発酵することで、果肉か溶け、カカオ豆に浸透することによって

カカオ豆の渋みや苦味は分解(減少)しています。

 

カカオ豆だけになったものは、水分7%程度まで乾燥させ、

ローストして香りを出していきます。

 

この後は、さまざまなチョコレートとして加工されていきます。

美味しいチョコレートはたくさんありますが、

この最初の、発酵工程がとても大切とも言われております。

 

日本ではカカオの実は育ちにくい環境ですが、沖縄では色々実験されているみたいですね!

チョコレートを食べるとき、是非とも乳酸菌、酵母菌、酢酸菌のことを思い出しながら味わってみてください♪