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八海山ツアー2日目 魚沼の里
2日目の朝です昨夜浴びるように?いただいた日本酒
全く残らず頭がスッキリしているのにはビックリ!
雨音とカエルの子守唄を聞きながらぐっすり休み、
雨上がりの朝を迎えました。
朝食は八海山本社でいただきました。
食堂で蔵人さんたちが食べる栄養たっぷりの朝食。
地元野菜をふんだんに使った朝食は
どれも素材を活かした薄味で、
「朝食はいつも食べない」という参加者もモリモリ食べました。
朝食後は、旅行2日目のメイン・イベントである
「植樹祭」
植樹祭は、八海山株式会社様が主催する行事で、
「魚沼の里」の敷地に1500本の苗木を植え、
「風花の森」をつくることを目指します。
苗木は1本につき500円にて
苗木のオーナーになることができます。
日本発酵文化協会のメンバーも、全員オーナーになり、
ネームプレートに名前を書いて苗木に目印をつけました。
酒造会社がなぜ植樹をするの?と思われるかもしれません。
実は植樹=森づくりは、酒造りに関わる
良質な水や米を守ることにもつながります。
森は、洪水,土砂崩れ,大火,津波などから
私達の命を守り、良質な水源や田んぼを守り、
集落を守ってくれるのです。まさにいのちの森です。
今回は記念すべき第1回目。
参加者は約400名で、そのうち9割以上の人が地元の方だそうです。
集落を守ることにもつながる森づくりは、
やはり地元の方にも関心の高いことのようです。
今回は第1回目ということもあり、
森づくりの第一人者である宮脇昭先生をお招きして、
植樹を行う意義や、具体的な植え方などを教えていただきました。
この宮脇先生が、大変素晴らしい方なのです!
宮脇先生は、地球環境戦略研究機関国際生態学センター長,
横浜国立大学名誉教授で、国内外1700か所以上で植樹指導し、
4000万本以上の木を植えていらっしゃいます。
御年85歳ですが、ご自身でも
「まだ、たったの85歳」とおっしゃるくらい、
とてもパワフルな方で、私達に大変熱心にご指導いただきました。
木を植えることは、命を植えること。
私達の命を守り、次の世代の命を守ること。
木を植える意味を再確認し、参加者全員で
「アカガシ」「トチノキ」など
1つ1つ木の名前を大きな声で復唱しました。
気温も高く、日差しの照りつける中での活動になりましたが、
皆さん1本1本丁寧に植えていました。
全部で植えたのは16種類1500本。
最初の3年間ほどは草取りと下草刈りなどの管理を行ないますが、
その後管理は不要となり自然淘汰に任せ、
次の氷河期が来るまでの9000年後まで続く森となる予定です。
「植樹」と「発酵」は、直接的には関わりがありませんが、
環境を守ることで豊かな食生活,
そして命が守られる、ということを再認識しました。
「植樹」のあとは泉ヴィレッジの移り、
宮脇先生を囲んで懇親会でした。
この植樹祭に関わった様々な方が参加されています。
この泉ヴィレッジは八海山のブリュワリービール醸造所が
併設されています。
懇親会では八海山の泉ビールやお酒、
甘酒や梅酒など沢山の飲み物に、豪華なお料理が並び、
横山理事長の乾杯の音頭、宮脇先生、八海醸造会長、
副会長、社長その他大勢の方達との歓談の場になりました。
宮脇先生は雑草の生態学の原点から、いのちを守る森、
長もちする森、手をかけずに100年、1000年生きぬく森を
作られており、常に目で見て,匂いを嗅ぎ、
舐めて触って調べるという自分の体で感じることを
大切にされている現場哲学をお持ちです。
自分の五感を使う、このことは全く違う
「植樹」と「発酵」に共通することのように思います。
「発酵」も目で見て、匂いを嗅ぎ、舐めて、触って、
発酵の進み具合が今どのような状態にあるのか判断することが、
良い発酵の決め手であります。
「植樹」によって酒造りに関わる良質な水や米を守り、
良い発酵を促して、また私たちに食として戻ってくる。
魚沼の土地の観光に行ったつもりの私たちですが、
八海醸造さんのお酒に対する真面目な姿勢とすばらしい設備、
人の温かさに触れ、さらに「植樹」の機会をいただき、
自然生態系の勉強を知り、いのちの森を作り守ることは、
いのちを育て繋げることにもなるという大切なことを
学んだような気がしています。
森を守る、酒を守る、日本の発酵を守る。
それぞれ分野は違っても、みんなで力を合わせることにより、
それぞれの立場から日本の文化を守るという力強さと
元気をいただいたような宴になりました。
そのような温かい気持ちを抱きながら楽しい宴の後、
私たちは東京への帰路につきました。
お世話になりました宮脇昭先生、八海醸造の方々、
本当にありがとうございました。
是非7月に魚沼の里がオープンした際には、
八海醸造の素晴らしい自然と施設、
私たちが参加させていただいた「植樹」の小さな森へ、
この発酵コラムをご覧になった方も足をお運びいただけると、
とても嬉しく思います。