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発酵について

発酵とは

私たちの生活の中で、発酵は食品・洗剤・薬などありとあらゆる場面で使われています。もっとも身近な発酵は、調味料などの味噌、醤油、みりん、日本酒、酢などの発酵食品ではないでしょうか。
毎日の朝食に和食を取り入れるならば味噌汁が必要でしょう。洋食ならばヨーグルトやチーズが食卓に並ぶかもしれません。これらも発酵からできています。

発酵食品とは、目に見えない微生物たちの働きによって醸し出される食品の事です。大豆から味噌・醤油・納豆などができます。お米からは日本酒やみりんや酢が作られ、ミルクからはチーズやヨーグルトが作られます。どれも人にとってとても美味しくて、栄養のある食品に変化しています。
その発酵から生まれた成分が美味しく、健康にもよく、食品の保存性も高まる為、私たち人間は古くから発酵食品を作り、摂取してきました。
発酵食品の歴史はとても古く、世界中に溢れているのです。

世界の発酵食品

シュールストレミング[スウェーデン]
塩漬けにしたニシンを缶の中で発酵させます。世界で一番臭い食べ物と言われています
ザワークラウト[ドイツ]
千切りにしたキャベツを塩漬けにしてから乳酸発酵させた漬け物です。ソーセージや様々な肉料理の付け合わせに使用されます。
アンチョビ[イタリア]
イワシを塩漬けにして発酵させた後、オリーブオイルなどと一緒に漬けこみます。
インジェラ[エチオピア]
テフという穀物を粉にして、水で溶いて発酵させたエチオピアの主食です。クレープに似た形をしており 焼いて肉や野菜などを包んで食べます。
メンマ[中国]
麻竹とよばれるタケノコを土の中で乳酸発酵させて作ります。
臭豆腐[香港]
納豆菌と酪酸菌によって発酵させた漬け汁に豆腐を漬け込んで作ります。独特の風味と強烈な匂いを発します。
ホンオフェ[韓国]
エイの身を壺に入れて発酵させた生食用の魚の発酵食品です。全羅南道(チョルラナムド)という地域では結婚式には欠かせない料理として食べられてきました。薄くスライスしてそのまま刺し身で食べたり、豚肉やサラダ菜などに包んで食べます。 強いアンモニア臭がして、世界で二番目に臭い食べものとして有名です。
ナム・プラー[タイ]
小魚を塩漬けにして発酵させた魚醤です。鰯や淡水にすんでいる魚を原料として半年から一年熟成させて作ります。
ナタデココ[フィリピン]
ココナッツの果汁に酢酸菌をまぜて発酵させた際にできるゲル状の物質です。
テンペ[インドネシア]
大豆をクモノスカビで発酵させます。大豆発酵食品であることから「インドネシアの納豆」として有名です。
キビヤック[カナダ北部]
海鳥をアザラシのお腹の中に詰め込んで、土の中で2~3年発酵させます。野菜のとれない寒い地方でビタミンなどの貴重な補給源として食べられてきた食品です。
ベジマイト[オーストラリア]
塩辛い茶色のペーストで、麦芽を発酵させて作ります。パンなどにぬって食べられます。

日本の発酵食品

日本は気温、湿度などの発酵に適した気候に恵まれ、世界でも有数の発酵大国です。日本の発酵食品の特徴は「麹」を用いた発酵です。
麹とは、蒸した米・麦・大豆などの穀物に麹菌という微生物を繁殖させた加工品です。
味噌、醤油、酒、酢、みりんなど、麹によって日本の味ができているといっても過言ではありません。
日本各地には、麹を使った伝統的な発酵食品が多数存在します。
その他、納豆や漬け物、鰹節など我が国の発酵食品文化は非常に発展しています。

飯寿司[北海道]
鮭と米麹を一緒に発酵させた熟鮓の一種です。
ハタハタ寿司[秋田]
ハタハタと米麹を一緒に発酵させた熟鮓の一種です。
かんずり[新潟]
唐辛子を塩漬けしたあと、米麹と一緒に発酵させます。辛さの中にも甘味とうま味のある調味料です。
鍋の薬味や、料理の隠し味として使用します。
かぶら寿司[金沢]
塩漬けにしたブリをカブの間に挟んで、米麹と一緒に発酵させた熟鮨の一種です。
ふぐの卵巣の糠漬け[佐渡]
猛毒のふぐの卵巣を2年以上塩を糠に漬け込むことで毒が抜ける。毒の抜けるメカニズムの詳細は、まだ解明されていません。
三五八漬け[会津]
塩:米麹:米=3・5・8の割合で混ぜた漬け床です。
納豆[水戸]
蒸した大豆を納豆菌によって発酵させます。
べったら漬け[東京]
大根の甘酒漬け。塩漬けした大根を、甘酒で漬け込み発酵させます。
しょうゆの実[長野]
なめ味噌の一種です。
いかなご醤油[香川]
いかなごという魚を塩漬けにして出た魚醤の一種。しょっつる(秋田)、いしる(能登)と並んで日本の3大魚醤とよばれます。
豆腐餻[沖縄]
島豆腐を米麹、紅麹、泡盛によって発酵・熟成させた発酵食品です。

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