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発酵コラム㉑ 雪国のお漬物はどんな微生物から?!
皆様こんにちは。
上席講師の藤本倫子です。
最近、授業に来られた方やメールなどで少しずつ「コラム読んでます!」
と言っていただけるようになってきました!
とても嬉しい限りで、書かなくてはと思う原動力になります!!
私、生まれは九州で、育ちは東京と埼玉という感じなんです。
と言うことで、雪国とは関係のない生活圏で過ごしてきました。
ところが、東京農大に入り、
そこで日本酒に惚れて、そして八海山というお酒に出会い、入社することになりました。
清酒八海山の蔵は新潟県南魚沼市にあります。
もうそこは、本当にすごい雪国です。。。。。。
今でも鮮明に覚えているのは、12月の研修中。
一日中雪が降り、夜もしんしん(どかどか?!)と積もっていく雪をずーと一晩中見ていました。
雪の明るさと、積もる速さに、ずーと見ていても全く飽きず、、、、
翌朝は大変です。
雪国で行動する時は、余裕のある行動というのを身をもって知らされました(笑
そして、今ならわかります!
こんなに雪が降る地域では、絶対に【発酵食品】がある!と。
【藤本発酵コラム㉑ 雪国のお漬物はどんな微生物から?!】
大昔、雪などで閉鎖される地域は冬を乗り越えるために、夏に採れた野菜等を保存して
冬に食べていました。
食品を保存する目的の為、塩をたくさん利用していたので
しょっぱいものが多いですが、塩抜きをして調理するものや、
漬けたものを美味しく食べる技術がたくさんある地域で、
研修中はとにかく美味しい漬け物をたらふく食べました(笑
蔵にいるお母さん達の漬け物が美味しくて、
そして当然ご飯も美味しいし、酒はもちろん美味しい!
夏の間の研修は特に、野菜が美味しいんです!
そんな私の思い出の中に、ダントツ美味しい最高の漬け物がありました!
冬しか食べられない、
【やたら漬】です。
(やたらめったら、色々な材料を漬け込むことから、このネーミングだそう。)
『麹』を利用した漬け物です。
そう!
九州や雪が降らない地域は、気温が高いので『乳酸菌を利用した漬け物』が多く存在します。
しかし、雪国は寒いので乳酸菌が働きにくい環境です。
そこで雪国に誕生したのが、『麹』を利用した漬け物類!
これらの漬け物は、
日本の伝統発酵食品である『熟鮓(なれずし)』の一種です。
熟鮓といえば、魚を漬けたイメージがあると思いますが、
もともとは、冷蔵庫のない時代に
動物性たんぱく質を保存するための知恵として生まれたものです。
現代では2種類に分かれます。
①なれずし系=魚+米+塩(乳酸発酵)
例)鮒鮓・サバの熟鮓など
②いずし系 =魚+米+塩+麹(麹による分解)
例)かぶら寿司・飯寿司・やたら漬など
この、②は麹が入るので、麹による酵素分解が起こり、
甘い漬け物系になります。
魚は入っていないですが、べったら漬も②系ですね!
麹によって、魚のうまみも加わり、麹や米の甘みも加わり、程よい塩分と
野菜のうまみも出てきて、
総合的に美味しくなるのです!
ただ、こんなに美味しい【やたら漬け】という漬け物が世の中に出回っていない!!!
これにも、理由があります!
この漬け物、
究極に活きているとでも言いましょうか。
とにかく賞味期限が短い!
たぶん、およそ2日程度。
と言いますか、1日ごとに味が変わっていきます。
これが、発酵の面白さだと思う漬け物です!
ですので、自分で作るしかないのです。
麻布十番 千年こうじやのスタッフが
魚沼のお母さんのところに作り方を教わりに行き、
数年がかりでようやく、今回料理教室の開催にまでたどり着きました。
3月の料理教室、良かったらチェックしてみてください。
私が参加したいです。。。