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酒粕酵母おこしてみ隊

発酵マイスター2期生 発酵ライター浅川つぐみです。
震災から2年、まだまだ沢山の方が不自由な暮らしをしているかと思うと胸がいたみます。
私は以前、イーストのパンを中心に焼いていましたが、震災をきっかけに天然酵母パンをよく焼くようになりました。発酵食に興味を持ったのもその頃だと思います。
震災時、いつもの食物が手に入らなかった期間、子ども達が「お母さんがパンを作れて本当に良かった。お味噌が家にあって良かったね。」というなにげない一言にいろんな調味料が自分で作れるようになれればいいなと思い、豆種菌に通いだしました。
不安の中、いつもの物をいつも通り食べれるというだけで安心感が保たれますよね。
 
先週土曜日、日本発酵文化協会千葉発酵ツアーに参加してきました。
寺田本家さん、鍋店(なべだな)さんなどの酒蔵を訪問し、神崎神社にお参り、そして道の駅でお買い物と盛りだくさんで楽しいツアーでした。
私は日本酒は飲めませんが、酒粕を購入したり、お酒の製造工程を見てみたいという気持ちで参加しましたが、道中も発酵好きの方たちとの楽しい発酵談義や色々な話を沢山の方とできて本当に楽しかったです。
寺田本家さんも鍋店さんもこだわりをもった酒蔵さんで、製法に違いはあるものの、どちらもお酒に掛ける情熱やこだわりがとても伝わってきて、元気とパワーをもらって帰ってきました。
丹精込めて作られた日本酒はとても美味しい物で、私が思っていたような気分が悪くなるものでも頭痛がするものでもない、むしろ百薬の長と言われるとおり、身体が喜ぶものなんだなということを知ることができ、日本酒が飲めるようになったきっかけのツアーでありました。良い経験をすることができました。
 
さて、私の今回のお目当ては酒粕です!これで天然酵母を起こしました!
 千葉発酵ツアーデジカメ 070
酒粕酵母 008
酒粕酵母は450mlの煮沸消毒したビンに酒粕を100g位入れ、お水を口ギリギリまで入れます。通常は3日ほどで酵母が起きてきますが、ツアーで購入した酒粕の酵母は昨日の夜仕込み、今朝には沸き立っていました。
酒粕酵母
今回の発酵ツアーで酒蔵に親しみが持てたので、酵母に名前をつけて育てています♪
 
寺田香取君(左上):一晩でビンからあふれ出すような発酵で早速パン焼きに使いました。この酒粕がどのお酒のものなのか聞くのを忘れてしまいましたので、寺田本家さんの香取というお酒のお名前を頂戴いたしました。
 
寺田むすひ君(右上)は、にぎり酒という発芽玄米を原料にした“むすひ”というお酒の酒粕です。私はこの麹起こしを一度失敗しているので、今回寺田本家さんの社長さんにご指導いただき、ご飯を入れて酵母を起こしています。
寺田麹君(左下):酒粕ではなく天然白米麹です。麹酵母はいろいろな作り方がありますが、今回はご飯を少し入れて仕込みました。
鍋店仁勇君(右下)鍋店さんの酒粕は吊るし搾り大吟醸酒粕で、発酵が終わって熟成した醪を昔ながらの酒袋に入れて、小さなタンクに吊るして自然の重さで滴おちるお酒の酒粕だそうです。水分がしっかり残っていてクリームチーズのような滑らかさでとても贅沢!
素材がすごく魅力的だったので、酒粕とお豆腐のケーキも焼いてみました。
 
普通、天然酵母は種の力を強くする為、元種というもの3回繋いでを作り、それを生地の一部に混ぜ込んでパンを焼く方法で焼くのですが、今回は酵母の力が元気で強いので、直捏ねにして生地に直接酵母液を入れて焼いてみました。
 
 粉と酵母液と塩とお水で生地を仕込んだプレーンカンパーニュとドライフルーツのトッピングパン。
発酵ツアーのとき道の駅で買ったかのこ豆を入れた豆カンパーニュ。
そして鍋店さんの仁勇の酒粕で焼いたケーキです。
 
酒粕酵母パン・ケーキ 043
とても素敵な仕上がりです。
酒粕豆腐ケーキは、娘曰く、普通に生活していては食べられないもの・・・(普通は出会えない味)らしいです。
こんな素敵な発酵素材を、色々な物に気軽に取り入れて使いこなせるようになると、ほんとに楽しい発酵ライフになりますね。