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降りてゆく生き方

先週に引き続き、映画を見てきました!
発酵プロフェッショナル 発酵ライター 浅川 つぐみです。
『降りてゆく生き方』
この映画は、、DVD化、テレビ放送、インターネット配信などはせず、「上映」というスタイルだけで見ることが出来る映画で、被災地などを回ってきた映画だそうです。
日本発酵文化協会の横山理事長をはじめ、色々な方に見るといいよ・・・と聞いていたので、上映を待って、ようやく見ることが出来ました。
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ザックリストーリーをお話しすると、
戦後の日本の復興を必死に支えてきた団塊の方達は、出世すること、利益を上げること、勝つこと、巨万の富を得ること、常に昇り詰めるまでひたすら働き続ける生活でした。
そこには、家族を顧みず、不健康で終わりのない、常に登りつづけることをやめない人生が広がっていて、その子ども達も競争の波に乗せられ、そのひずみが社会問題になっていく現代。
ある団塊サラリーマンが、無農薬・無肥料・自然栽培の日本一美味しいお米を作る町を買い取り、その米をブランドにして知名度を上げ、利益を得、外国人に町ごと売ってしまい巨万の富を得ようというプロジェクトを任されます。
団塊サラリーマンは、土地の委任状を集めるために、町の人たちの生活に足を踏み入れ、町の人と触れあっていく中で、「明日、死ぬとしたらどう生きたいのか」という問いかけで、人間らしい生き方を取り戻していくというようなストーリーでした。そこに発酵が絡んでいきます。
美味しいいお米、美味しい畑の恵み、それをもとに作られる美味しいお酒、すべては農薬や肥料がなくても、自然や里山に作られています。
雨水は、里山の森林に濾過され、美味しい水が出来上がります。
その生態系に反して経済的目的で植樹した杉やヒノキの山には、雨水を蓄えるに耐えらず、地球システムが崩れ、災害になり、食べ物のない動物は里山から民家に降りて来ます。
人が昇る生き方をしてきたための代償は、とても大きなことと言えるでしょう。
それに気が付き、里山を守り、美味しいお米・美味しいお酒を守って、次世代に繋がっていけるという大事な役目を担うのも、発酵の役目なのかもしれません。
この映画には、酒蔵が出てきます。
酒蔵というところは、たくさんの微生物たちがお互いにつながり、関わりあって発酵し、エネルギーと新しいお酒を生み出しています。
そこは生命力にあふれ、楽しさと喜びに満ちており、発酵しているいきいきとした人々にとっては、第一の関心事は「お金」ではなく、「生命の躍動感」となります。
何をしてどう生きたいのかを問われる映画でした。
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映画の中に出てくる『森乃司』というお酒は、通常お米を磨いて作る清酒ではなく、発酵が難しい玄米を使ったお酒で、あまりお酒をいただかない私もちょっと興味がありました。
ご興味がある方は、是非!!
『降りてゆく生き方』
http://www.nippon-p.org/
森乃司
http://www.nippon-p.org/wm-kura-1.html