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米粉甘酒パン

暑さもひと段落つき、ホッとしています。
発酵プロフェッショナル 発酵ライター 浅川つぐみです。
昨日記事を上げる予定が・・・記事にするはずの米粉甘酒パンを失敗してしまい、今日になってしまいました。
いつも何気なく記事にしているように思われますが、結構失敗率も高いです(笑)
先日、米粉のパンの先生から、素敵な情報をいただきました!
粉に米麹と水を添加して前醗酵することで、膨らみの向上した100%米粉パンを作ることが出来る。本法における米の適性品質として、20%~25% 程度のアミロース含量および貯蔵タンパク質変異系統が、膨らみと食味の両方に良好である。(農研機構より)
ということです!
実は100%の米粉パンを作るのは、大変なんです!
粉や分量のあんばいを間違えるとお餅やういろうのようになってしまいます。
米粉のパンの問題点というのも、下記のようにあるんです。
米粉分量の多いパンは、米の需要拡大にとって大きなメリットであり、特に100%米粉パンは小麦グルテンを使用しないため、小麦アレルギーに対応した米粉パンでもある。現在の100%米粉パンの作製法は、グルテンの代わりにグアガムやヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘多糖の添加が主流であるが、消費者の添加剤に対する抵抗感や、食味・食感の低下、コストが高いといった問題がある。(農研機構より)
本来パンは、小麦粉内のたんぱく質のグルテンが骨格を作り、アルコール発酵で出来る炭酸ガスがそこに溜まって膨らみますが、グルテンのない米粉を発酵させて膨らませるには、グルテンの骨格の代わりになるものが必要なんです。
今回は、仕事先でいただいたこんにゃくマンナン入りの米粉の粉と米麹と水を添加した物=甘酒で米粉パンを仕込みました!
甘酒にはでんぷん分解酵素とたんぱく質分解酵素があるのですが、小麦粉のパンに甘酒を添加して作ると、たんぱく質分解酵素が働いて、小麦のたんぱく質で出来ているグルテンが分解されて、平パンのようなパンとは言えない物になってしまいます。
逆にグルテンがなく、でんぷんが豊富な米粉の場合は、でんぷん分解酵素が働いて、でんぷんを分解してブドウ糖にしてくれると、イーストの餌となってイーストが元気になり、発酵が促されるのではないかと思ったりします。
難しいことは、置いておいて、米粉と甘酒でパンを作りました!
米粉100%と水分65%、生甘酒(日本発酵文化協会レシピ)25%、イースト2%、砂糖、塩の配合に、紅麹を入れるともっと発酵が良いような気がしたのでやってみました!
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こんな感じの生地量で30℃発酵15~20分でこんなに膨らみました!通常は30~40分小麦粉ではかかります。
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グルテンがないので、炭酸ガスの気泡の穴が表面に出てしまいますが、小麦粉の半分の時間で、焼くタイミングになりました!
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米粉のパンと言うのは、とても乾燥しやすいので、本来なら発酵の時にはラップをしたり、焼くときに乾燥しないようにホイルをしたりするのですが、どこまで膨らむのかわからなかったので、今回は乾燥対策をしなかったので、こんな感じです。
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焼き立てを切ったので、ポロポロ見えますが、ふんわりもっちりしたパンに出来上がっています。
混ぜてからあっという間に米粉パンの出来上がりです!
米粉パンと甘酒の組み合わせ、とても良い発酵をします(^^)
ちなみに、昨日失敗したのは、水分を多く入れすぎてしまったことです。
米粉は水和が後から来るので、水分を入れ過ぎないように注意した方が良さそうです(^^)
米粉と甘酒、どちらもお米由来の素材です。
やはり素材同士仲良しなんでしょうね。素敵な発酵をします。
皆様も、お試ししてみて下さい(^^)
参考URL  農研機構
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nics/2011/112a0_10_09.html