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美味しいみりん「三河味醂」

こんばんは。是友麻希です。
GW、いかがお過ごしでしたか?
私は、遊びのような、仕事のような毎日を過ごしておりました。
こうやって、自分の楽しいと思うことが仕事だなんて、なんて幸せなんでしょう!!
先日、愛知県にある三河みりんの「角谷文治郎商店」さんにお邪魔してきました。
明治43年創業の老舗のみりん屋さん。「角谷文治郎商店」さん
以前、角谷社長にお会いして、そのお話に非常に感銘を受け、
是非一度蔵見学をさせていただきたいと切望していたら、
念願かなって今回お邪魔致しました。
そこは、愛知県南部にある碧南市。
温暖な気候に恵まれ、古くから醸造の町としても有名です。
中でも、私の大好きな「白醤油」発祥の地として有名で、
いつか、この町に行きたい!!と思っていた町でもありました。
今回は理事長と二人でお邪魔しましたよ!
名古屋から1時間ほど。
「走る!」とそんなに宣言しなくても・・・・・と
言いたくなる、なんとも可愛らしい電車に揺られ着いたところが碧南市。
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景色でも見ながら、のんびりと。。。。。と思っていたら、
普段なかなか出来ない打ち合わせをしながらの1時間は、あっという間でした。
なんとも喉かな場所です。
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駅の前には、車も走っていません。
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駅前のタクシー乗り場で、タクシーを拾おうと、近づくと
何やら看板が・・・・・・。
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うふふ。
日頃、東京で、ドタバタしている私には、なんとも言えぬ癒しです。
幸せだな~
とても喉かな気分にさせてくれました。
しかし、テレビを見る間もないほど、数秒でタクシーが到着。
あわてて乗り込み「三河みりんまで!!」と言うと
まさかの!!!
「すみません、タクシー運転手に昨日なったばかりなので、道を教えていただけますか??」
思わず、理事長も私も
「え~~!!」と大声を出してしまいました。
そんな、すったもんだはあったものの、なんとか無事到着した
角谷文治郎商店さん。
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さて、みなさん、この会社名、読めますか???
実は、私はここのみりんは、もう10年以上愛用しています。
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が、この10年以上ずーーーーーーーーーーーーーーーっと
「かどや」だと思っていたのです・・・・・
大変申し訳ないことをしてしまいました。
正しくは「すみや」さんです。
しかも「もんじろう」ではなく「ぶんじろう」です!!
お詫びの意味も込めて、このお名前をみなさんにお知らせしておきます!!!
スミヤブンジロウ商店さんです!!!
さて、気を取り直して・・・・
こちらのみりんは、言わずと知れた、美味しい本みりん。
原料にもこだわり、日本古来の伝統技術で作られたみりんです.
そもそも、みりんは、どのように作られるかご存じでしょうか?
簡単に言うと
原料は、もち米と、米麹と、焼酎です。
焼酎の中に、蒸したもち米と、米麹を入れて混ぜる。
終わりです。
あとは、自然の力で発酵・熟成させるのです。
この後の数か月~数年の間に、微生物の生成した酵素の力によって
味わい深いコクと甘味が生まれるのです。
とてもシンプルだからこそ、原料の美味しさがそのまま表れます。
「あら、簡単!では、私も作れるんじゃないかしら?
今の発酵ブームに乗って、私もみりん作りに挑戦しようかしら??」
と、思った、そこのあなた!!!
だめです!!
みりんは、作れませんよ。
なぜなら、みりんは、酒税法上、れっきとしたお酒なのです。
それを自分で勝手に作るということは、つまり密造です。
なので残念ながら、自分では作れないのです。
あくまで自分では作れませんよ!!と強調した上で、
みりんの作り方を、蔵見学させていただいたルートと共にご紹介します
 
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蔵に入った途端、あまーーーーい匂い。
日本酒の蔵とは、また違った香りです。
その原因がこれ。
何かが蒸されている香りです。
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そう、もち米
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みりんは、米だけでなく、このもち米を入れることによって
甘くなるのです。
なぜ、もち米を入れたら甘くなるか????
これを知りたい方は、
「日本発酵文化協会認定 発酵マイスター」に合格したあと、
「発酵プロフェッショナル」をご受講くださいね(笑)
みっちり、お教えします!!
くわしくはこちら
さて、話は戻って、社長自らもち米を試食させてくださいました。
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甘い。
もちもちもちもち。。。。。うーーーん、美味しい♪
このもち米をクチャクチャ噛みながら、焼酎を口に含んで
1年ほど噛み続けることができたなら、自分の唾液の消化酵素で
もち米が分解されて、みりんが口の中で出来上がるはずです(笑)
原理としては、一緒。
これだったら、違法とは言われないかな?
そのはずです(笑)
このもち米、蒸しあがるとすぐ横の放冷機に入れられ
そして、そのすぐ横で、焼酎と米麹が混ぜられます。
あっという間に、酒浸しの米です。
うーーーん、なんだか美味しそう(笑)
これを見ながら、あれを思い出した。
酒浸しのケーキ。
なんていうんだったかしら、ラム酒をたっぷり浸した
お酒の味のケーキ、
あ、そうだ、サバランだ!!
蔵中に立ち込める、この甘い香りと、
美味しそうな、酒浸しの米たち!!
みりんの諸味を見ながら、サバランを思い出して、
思わず生唾を飲んでしまった私です。
さて、この諸味は、すぐにタンクへ。
これが、みりん諸味です
ジャジャン!
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ん??
もさもさ?パサパサ?
もっと近づいてみましょう。
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はい、そうなんです。米がモサモサしているのです。
水分がほとんどありません。
実は、先ほどのサバラン状態の時に、米麹やもち米は
十分に焼酎を吸収します。
その十分に吸収した米麹ともち米のみをタンクに入れ、
余分な焼酎は入れないのです。
これによって、非常に濃い「三河みりん」が出来上がるというわけです!
この諸味タンクを3か月ほど熟成させると、こちら
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分解がすすみ、液体成分が多くなってきます。
そして、これを搾ります。
搾りは、クリーンルームの中で、槽を使って行われていました。
なんとも丁寧な搾り方です。
ほとんど、手作業。
確かにこだわっているみりん蔵さんですが、今や三河みりんと言えば、
日本全国、あらゆるデパートで販売している大きな蔵です。
これを全部、この手作業でやっているのでしょうか??
まさかね???
はい、そのまさかでした・・・・・。
圧搾機のような機械搾りでは、酵素まで搾り取ってしまい
そのあとの熟成が止まってしまうとのこと。
三河みりんは、購入してからも熟成し続ける「生」みりんなんです。
搾ったみりんを、さらに1年ほど熟成させることによって、
琥珀色の三河みりんが出来上がります。
事務所に戻ってから、みりんの試飲をさせていただきました。
ここまで、大興奮で撮影と取材をしていたものの、
いざ酒類が目の前に出されるとぱったりと手が止まってしまったのか、
写真が一枚もないことに、帰宅してから気付いた・・・・・
なんとも、ダメな私です。
まずは「三州三河みりん」
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うん、間違いなく美味しい。
いつも料理に使っている慣れ親しんだ味です。
この上品な甘さは、まさに米リキュール。
お次は、「三州味醂」
こちらは、三河みりんと製造方法は全く同じ。
違いは、有機米を使用しているということです。
ただ、それだけ。
それだけで味が異なるのでしょうか?
素材だけで食べ比べるならまだしも、焼酎に浸してあるし、
しかも1年以上熟成させています。
そんな長期間かけてつくったものに、そこまでの味の違いが出るのか・・・・
一口飲んで・・・・
ドンガラガッシャーーーーン~~
私の頭の中のちゃぶ台がひっくり返りました。
違う。全く違う。
有機米のほうが、自然な味で・・・・・・・とか、そういうレベルではない。
全く違うものなのです。
なんと表現したらいいのでしょうか。
そう、いうなれば、これは「かくし味」です。
かくし味としての調味料。
隠していないのに、最初から「かくし味」です!と公表してしまいたい。
そんな味醂なのです。
コク、奥行き、酸味、甘味、うま味
これら何か一つが突出することなく、
バランスよく調和することによって、隠し味としての地位を確立しているんです。
これを加えることによって、味に広がりがでるけれど、
それは決して広がりすぎることなく
最終的にはまとめてくれる。
なぜなら、最初は、「米」という一つの原料だから。。。。。
そんなことを思わせてくれる、魅惑の調味料でした。
素晴らしいものを試飲させていただいました。
そして、もう一つ衝撃的だったのが、こちら
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梅酒です。
2酒類の梅酒があるのですが
なんと、辛口梅酒があるのです。
これは、衝撃です!
その名と通り、かなりドライ。
甘いものが苦手な方でも、美味しく食前酒としてお召し上がり頂けます。
うーーーん、美味しい!!
これは、グラニテにしても美味しそうだな~
あ、そうだ。今年の夏はシャンパンパーティーしながら、
これをグラニテにしよう!!
と、酒を飲みながら、別の酒のことを考えるという、
どうしようもない私です・・・・・(笑)
角谷社長のお話の中で、非常に印象的だったのが
みりんの製造方法について、何を伺っても
「三河の歴史には・・・・・」や
「三河の気候では・・・・・・」など
全て、三河の土地の話に繋がることです。
あらためて、
食とは、その土地、風土、歴史、気候、そしてそれを支える人々がいて
初めて出来上がるものだということを感じました。
三河の気候と、長い歴史と文化、その土地ではぐぐまれてきた食材
そしてその伝統を守りぬく角谷社長をはじめ、すばらしい皆様のお蔭で
今日の夕飯も「三河みりん」を使って煮物を作ることができたことに感謝致します。
御世話になりました角谷社長、角谷文子様、角谷治子様、
そして角谷文治郎商店の皆様、
本当にありがとうございました。
貴重な時間を過ごさせていただきました、
なお、日本発酵文化協会では、
角谷社長をお招きして「みりん講座」を企画中です!!
詳しくは、決まり次第ご連絡しますね。
どうぞお楽しみに♪
今回お邪魔した場所
三州三河みりん醸造元
(株)角谷文治郎商店
〒447-0843 愛知県碧南市西浜町6-3
TEL 0566-41-0748 FAX 0566-42-3931