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世界一硬い食べ物

こんにちは。
発酵プロフェッショナル、発酵ライター 石川恵利香です。
 
タイトルにある通り、みなさんは世界一硬い食べ物ってなにかご存知ですか?
 
こんな道具で削る食べ物…
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それは鰹節です!
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そしてその鰹節が発酵食品だってこと、ご存知でしたか?
 
 
しかし鰹節全てが発酵しているというわけではありません。
枯節・本枯節と呼ばれるものが発酵食品の鰹節です。
 
このふたつは鰹の表面に《カビつけ》をしたもので、カビつけを4回以上したものを本枯節とよびます。
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これが本枯節の表面です。
 
 
昔は現代とは違い、輸送技術や保存技術が発達していなかったために鰹節を輸送する際にどうしてもカビが生えてしまいました。
そのカビ問題を解決するためにあえて優良なカビを生やし、悪いカビが生えない環境にするという解決方法へたどり着きました。
 
すごくおもしろい方法ですよね!
 
さらにそのカビつけを1度ではなく何度か行なうことにより、より美味しくなり旨味が増すことに気づき、4回以上カビつけをした本枯節の製造が行われていくこととなります。
 
カビは鰹の内部の水分を吸収して生えていきます。
そのため水分量が減り、世界一硬い食べ物になるというわけです。
水分が少ないことで長期間保存がきくようになり、さらにカビのおかげで鰹の脂肪分が分解され、澄んだ旨味のある出汁がとれます。
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削ると断面がとてもきれいです。
 
 
 
静岡県で鰹節を製造している方とお会いした事があり、その方は鰹節削り器があるお家が減っていて本枯節は絶滅危惧種なんですとおっしゃっていました。
 
このように優良なカビが関係している鰹節や味噌や醤油などは、日本食にはなくてはならないものです。
 
日本の食文化を大切に守り伝えていくことの大切さを改めて感じています。
 
 
もうすぐお正月です!
ご家族で集まる方も多くいらっしゃると思いますが、家族が揃うこの機会に各家庭の味も大切に伝えていってください。
 
そして鰹節削り器をお持ちでしたら、ぜひ本枯節を削ってみてください*
 
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さま、良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願い致します。