menu

ブログ

寿司の産みの親は??

是友麻希です。
皆様は、お寿司は好きですか?
1
私は大好きです。
異常に好きです。
毎日寿司でもいいくらい好きです。
あまりに寿司が好きすぎて、結局寿司屋で修業をして
魚料理研究家になってしまったわけです。
2
そんな大好きな寿司ですが、もともとは発酵食品だということをご存じでしょうか?
今でこそ、寿司の「す」は酢ですが、もともとは乳酸菌の出す乳酸の酸味です。
海に囲まれた日本がまだ冷蔵庫がない時代に、魚を保存する技術として発達しました。
これが「熟鮓」と言われるもので、「はたはた寿司」や「フナ寿司」などが有名です。
塩漬けにした魚を米や米麹と共に発酵させたもので、やがて酸味と共に匂いも出てきます。
やがて、発酵を早めるため、簡単にするためにこの熟れ寿司に酢を混ぜ始めます。
これが、現在の“握りずし”の原型となった“半熟れ" と呼ばれるものでした。
そして、やがて、酢だけで作り早くできる寿司「早すし」が誕生するのです。
しかし当時の酢は、米からできている米酢で、大変高価なものでした。
そこに目をつけた人がいます。
米酢を粕酢にすることができたら、もっとおいしくて手軽なすしがつくれるはずだ
粕酢というのは、その名の通り、酒粕から作ったお酢のこと。
そして、積極的に江戸への売り込みを開始。
すると、「粕酢の風味や旨みがすし飯に合う」と、
江戸でも人気のすし屋がどんどん粕酢を使うようになります。
江戸っ子のハートをつかんだ握りずしの大ブームとともに、
この粕酢は江戸前ずしに欠かせないものとなっていったのです。
この偉業を成し遂げた人こそ、ミツカンの初代 中野又左衛門 さまさま なわけです。
私の大好きなお寿司が、彼がいなかったら生まれなかった可能性があると思うと、
感謝せずにはいられません。
そんなわけで、ミツカン本社のすぐ横にある「酢の里」博物館にお邪魔致しました。
現在、大部分が工事中ですが、とても素敵な外観です
3
やはり大手企業さんの博物館だけあって、残っている使用が沢山あります。
4
5
私の大好きなキツネ桶も発見!!(マニアックですみません・・・・(笑)
今でも、ミツカンは粕酢を作っています。
そもそも、お酢というのはどうやって作られるかご存じでしょうか?
とても簡単に言うと
①酒を造る
②この酒に酢酸菌を入れ発酵させる。
③酢酸菌が酢酸発酵して酢になる。
これだけです。
酒を開けてから放置すると酸っぱくなりますが、
これは自然界の酢酸菌が入りこみ繁殖するためです。
基本的には、その原理と一緒です。
では、粕酢はというと・・・・・
まずは酒粕を数年熟成させます。
そうすると、こんなに色が真っ黒になります
6
わかりますでしょうか?
右が、普通の酒粕。
左が3年貯蔵した酒粕です。
酒粕を3年以上熟成すると甘み・旨みをたっぷり含んだアルコールができます。</font>
これを蒸留したものが、「粕取り焼酎」といわれる、非常に高級な焼酎です。
そして、
この真っ黒になった酒粕の搾り汁に酢酸菌を繁殖させ、酢酸発酵させたものが
粕酢なのです。
7
この粕酢が江戸でウケたのには、いくつか理由があると考えられますが
主には3つだったのかなと私は思っています
① 便利!海運の便が発達して江戸へ運びやすかった。
② 安い!酒粕はいわば廃棄物だから高品質のわりには安かった。
③ 甘い!すし飯を作るときの酢には、砂糖を加えるが、当時の砂糖はまだ高価。
 粕酢は最初から甘みがあり、砂糖が不要だった。
この3つの理由があったからこそ、私の大好きなお寿司は、
江戸前ファーストフードとして大発展していくのです!!
ちなみに、当日のお寿司はテニスボールくらいあったと言われています。
8
これと、2つに切って食べたそうです。
なので、現在、寿司を2カンずつ出すのは、この名残りなんですよ。
いや~、ミツカンさまさまです。
現在でも、ミツカンでは、1年以上熟成させた酒粕を使っており、「山吹」という名で
ネットで販売されています。→こちら
是非お試しくださいませ!
昨年、日本発酵文化協会を立ち上げて思うことがあります。
それは、こういう発酵食品や健康に興味を持っている人に
「大手メーカー」を毛嫌いする人が多いということ。
大手の醤油は、混ぜものだから・・・・
大手のお酢は、へんなもん入っているから・・・・
大手の味噌は、ただの練ものだから・・・・・
確かに、そういうものもあるかもしれません。
しかし、私はそういう問題ではないと思う。
大手メーカーには、そうなり得た長い歴史があるのです。
その歴史がすべてを物語っていると思います。
こういう歴史を知れば知るほど、一生懸命真面目に
作っている大手メーカーさんは沢山あるということを感じます。
ものには、必ず作る目的があります。
そのお酢の裏表示を見て、もしも気に入らない表示があるのであれば、
それはたまたま、その商品の目的とあなたの目的が異なっただけです。
私の大好きなお寿司を生んでくれた初代に感謝すると共に、
まずは、山吹を購入してみようと思います♪
私も♪という方は→こちら
お寿司ばんざい!
ミツカンばんざい!
ところで、話は変わって、今突然気付いたことがあります
私の大学時代の専攻は、「日本語教育」といって、
外国人に日本語を教える学科でした。
しかし、日本の英語教育と同じで「これは机です」とかいう
わけのわからない日本語を教えたところで、何の役にも立たない教育に疑問を持ち
日本語を学びたい人は、日本の歴史にも興味があるはずだと、日本史学部も専攻。
特に江戸時代の町人文化や食生活について、研究していましたが
毎日古文書を読むばかりで、それを外国人に教えるほどには至りませんでした。
そのうち、卒業、就職し、やっぱり食べることが好きだ!と寿司屋で修業し、
料理研究家になり8年目。
今、ふと気づきましたが、私がやってきた食文化研究は、日本発酵文化協会へと繋がり、
それが先日のイギリスのテレビの取材(こちら)で、外国人に日本の発酵食を教え、
なんだ、全部形になったではないか!!!!!!!!!!!!!
と、たった今気付きました(笑)
こうやって、繋がっていくのね。
企業の歴史も、人の歴史も面白い!
最後に、現在は、ミツカンは沢山のお酢を作っていますが、その中でも一番売れている商品は
何だと思いますか?
正解は、味ポンだそうです。
味ポンすごいね!!
もしもかしたら、300年後くらいに主流になる料理の原型はこれだ!!と、
味ポンが紹介される未來もあるかもしれませんね。
ミツカンさん、寿司を流行らせてくれて、ありがとう♪